【カレとカノジョ】 (ページ35)

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☆35 ページ35

"優吾じゃなきゃダメ"

あの頃よりも、そう強く感じたからこそ出た言葉。

やっと・・・素直になれたの。

自分にも。

彼にも。

「なんか、、うん、、ありがとう」

『や、やめてよ・・・改めて言われると・・恥ずかしい』

「ちょっとビックリした」

『なんで？』

「Aに・・・そんな事言われた事なかったから」

『まぁ・・初めて言ったからね』

「そんな風に思ってくれてたんだって考えると嬉しい」

『思ってたよ・・・昔も』

「・・・えっ」

『でも・・・言えなかった』

「それはどうして？」

『自信がなかったの』

『私も・・・子どもだったし・・理解してるつもりでも』

『周りと比べちゃって』

『自分だけが我慢してるって思ってたから』

『でも、違ったんだよね』

「A・・・」

『やっと・・・分かった』

『私は優吾が好きで』

『優吾も私が好き・・・・それだけで充分っ』

『きっとこれからも色々あるだろうけど』

『その時はその時で・・・今日みたいに話せたら・・って思う』

「A」

『あっごめん・・・なんか一人で喋っちゃって』

「いいよ、いいんだけど」

「言いたいこと全部言われちゃった(笑)」

『え？』

「俺も同じ気持ちだよ」

『優吾・・・』

"二度と失いたくないから"

"お互い我慢せず"

"ちゃんと向き合っていきたいって思ってる"

『最後の最後で持ってくじゃんっ・・・もうっ』

「あはははっちょっとは男らしいとこ見せなきゃね」

『あ〜ダメッ・・・ティッシュ・・・』

「Aってそんな泣き虫だった？(笑)」

『誰のせいよっ！』

「俺かぁ(笑)」

そう言って笑った彼の横顔は

あの頃よりも、愛しく感じた。