【カレとカノジョ】 (ページ33)

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☆33 ページ33

彼の優しさも温かさも全部覚えてるからこそ
抱き締められた瞬間、溢れ出す涙。

これは夢？それとも現実？

わけがわからない。

なんで、私は彼の腕の中にいるの？

ねぇ・・・どういうこと？

『ぐすっ』

「大丈夫？」

『大丈夫じゃないっ、、いぃ、、うぅ』

「だよな(笑)」と耳元で笑う彼にピタリと涙が止まった。

「落ち着いた？」

『・・・』

「うわ〜めっちゃ目腫れてるっ、、こりゃ冷やさないと」

『・・・』

「冷やすヤツある？家に」

『・・・』

「A？」

『・・・』

「怒ってる？」

『怒ってない』

「じゃあな『何でそんな余裕なの？？』

「え、、余裕？俺が？」

『そうだよっ・・・なのに私は散々泣いて・・バカみたい』

「何言ってんの・・・」

『何って・・・だから「余裕なんかあるわけないだろ？」

『えっ』

「俺だってどうしたらいいか分かんねぇよ」

『・・・』

「俺のせいで・・・Aは」

「ずっと苦しんでたっていうのに」

すれ違って、絡まって、強がって

好きだからこそ素直になれなくて

『優吾っ・・・ごめんね』

「・・・・」

『ごめんっ・・・ごめんなさいっ』

あの日を後悔したのは私だけじゃなかったんだね。