【カレとカノジョ】 (ページ30)

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ジ「えぇー！Aちゃん帰っちゃったの！？」
「うん、ジェシーにありがとうって言ってたぞ」
ジ「帰ってくるまで待ってて欲しかった〜」
「なんか明日朝早いんだって」
ジ「ふーん」
「な、なんだよ」

ジ「北斗が言ってたコーチの元カノってAちゃんでしょ？」

うわーバレてるじゃん。てか、よく気付いたな。

「まぁー・・うん」

ジ「ふふ、俺の勘は当たってたね」
「どこで気付いたの？」
ジ「最初から」
「マジか」
ジ「すんごい顔してたよ？(笑)」
「そんなに？」
ジ「うん(笑)」
「別に隠してたわけじゃないけど」
ジ「良い人だね、Aちゃん」
「は？(笑)」
ジ「コーチとお似合いだわ」
「何言ってんの」
ジ「ん？そう思ったから言ってんじゃん〜」
「・・・・」
ジ「だからさ」
「？？？」
ジ「追い掛けた方がいいんじゃない？」
「ごめん、どういうこと？」

追い掛けた方がいいって・・・なんで？

ジ「その場にいなかったから分かんないけど」
「う、うん」
ジ「Aちゃん、どんな顔してた？」
「どんな顔って？」
ジ「帰るって言い出した時だよ。鈍いなコーチ！(笑)」
「鈍いなって言われても・・・」

どんな顔してたって・・・

なんか・・・その・・・暗かったと言うか

悲しそうだったって言うか

え、なに、俺がそんな顔させたってこと？

ジ「気付いた？(笑)」
「なんとなく」
ジ「で？」
「で？」
ジ「まだここにいるつもり？(笑)」
「分かったよ、行きゃいいんだろ？」
ジ「死んでもそんな事Aちゃんに言ったら「言うか！」
ジ「ふふ、行ってらっしゃい」
「ったく・・・」

この苛立ちはジェシーに対する物じゃない。

彼女の異変に気付かなかった自分に対してだ。

たった数時間、一緒に過ごした奴が気付くぐらいの異変に

何で俺は・・・あぁ、マジで最悪！！

急いで車に飛び乗り、電話を鳴らすも繋がらない。

てか、電車で帰ったのか

タクシーで帰ったのかすら分かんない。

聞いとけよ、俺！

ホント役に立たないな！！

取り敢えず家だな・・・家。

こんな必死になったのはいつ振りだろう。
いや、彼女と再会してからの俺はある意味必死だった。

取り戻したくて

あの笑顔を。

もう認めるよ、俺はAの事が好き。

ずっと昔から。