☆17 ページ17
良かったー・・・私、普通に喋れてる。
ここ最近ママのせいで
アイドルの優吾を見る機会が多くて
どうなるかと思ってたけど
クシャッと笑う笑顔も
話を聞く時に真っ直ぐ目を見る所も
あの頃と変わらない、私の知る彼だった。
画面に映る彼も、もちろん優吾だって事は分かってる。
けど、やっぱり慣れないし・・・ごめん。ちょっと面白い。
イジられキャラってのが新鮮なんだよね。
しかも、最年長でリーダーだよ?
間違いなく優吾に失礼だとは思うけど・・・
「何笑ってんの(笑)」
『えっ、、あ、ごめん(笑)』
「なーにー俺の顔なんかついてる?(笑)」
『ううん、ついてないよ。えっと、、その』
「ん?」
『思い出し笑いしちゃって』
「思い出し笑い?」
『そう、、さっきママがさ田中君にハマってるって話したじゃん?』
「うん」
『だからその、、優吾のキャラが』
「俺のキャラ?」
『そう・・・なんか面白くて・・・ごめん(笑)』
「それで笑ってたの?(笑)」
『別にバカにしてるとかじゃないよ!?』
「あはは、分かってるって(笑)」
『アイドルなんだなぁと、、』
「そりゃ、あれが仕事だからね」
『でも・・・凄い楽しそう』
私の言葉に「うん、確かに楽しい」と、答えた彼。
その瞬間、色んな事を思い出して泣けてきた。
「えっ、、ええ?なんで!?(笑)」
『良かっだねぇぇ〜・・・デビューでぎでぇっ』
「ちょ、、声デカい!(笑)」
『優吾、、頑張っでだもんねぇっ』
そんな私の酔っ払いみたいなだる絡みにも
嫌な顔一つせず、ありがとう。と笑った優吾。
夢を叶えた彼とただ一般人の私。
その差にも
あの頃と違う現実にも・・・・涙が出た。
212人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しぃ | 作成日時:2022年2月6日 0時