【カレとカノジョ】 (ページ2)

今日:1 hit、昨日:16 hit、合計:32,960 hit

○2 ページ2

確か、Aと付き合ったのは高二の夏。

「A彼氏いないの？」
『いたら、優吾と会ってないし(笑)』
「あーそうね」
『逆に聞くけど、彼女いないわけ？(笑)』
「いない。てかそんな余裕ない」
『そっかー』
「でも憧れはある(笑)」
『何の憧れ？』
「んー学校終わりにデートするとか」
『あはは、じゃこれってデート？』
「確かにデートっちゃデートだわ(笑)」
『彼女じゃん私(笑)』
「なら俺彼氏？(笑)」
『そうそう(笑)』
「じゃあよろしく」
『かっるっ！(笑)』
「Aが言い出したんじゃん〜(笑)」

恋愛対象ではなかったけど、嫌いじゃないし
ずっと同じクラスで何でも喋れる仲だった俺達。

何となく恋愛ってモノに憧れがあったんだろうね。

冗談半分みたいな感じで始まったけど
付き合って知る一面ってあったのよ。
こんな顔するんだ。
こんな風に思うんだ。とかね。
気が付けば、彼女としてちゃんと好きになってた。

でも仕事やレッスンでデートする暇もないしで
付き合ったものの恋人って感じじゃない。

たまーに昼飯一緒に食べるとか
帰りにファミレス寄るぐらい。

『ちゃんと食べてる？』
「食べてる〜」
『どうせお菓子ばっかでしょ？』
「まあ糖分の摂取量は人より多いかも」
『仕事も忙しいみたいだし無理しないようにね』
「ありがとう」
『そうそう、今度圭介達がフットサルするって言ってたけど参加する？』
「誘われたけど仕事入ってて」
『そっか〜』
「Aは行くの？」
『行かない』
「なんで？山森とか行くんじゃないの？」
『優吾いないのに行っても面白くない(笑)』
「そんな理由？」
『私蚊帳の外になるし(笑)』
「あーそうか、あそこ付き合ってんだな」
『うん』
「ごめんな」
『謝らないでよ〜別に気にしてないから』
「んっ」

寂しい思いさせてごめん。ってより
理解してくれる事が有り難い。
Aだから分かってくれる。
そんな風に都合の良い解釈をしてた。

けど、実際は違って卒業と同時に俺らの関係は終わった。

『今よりもっと会えなくなるでしょ？付き合ってる意味ないじゃん』

この時初めて彼女に対して申し訳なさを感じた。
別れたくない気持ちもあったけど言えなくて
今の今まで彼女の気持ちを
考えてなかった結果だと受け入れた。

それからパッタリと連絡も途絶え過去の人になった俺達。

あれから数年・・・少しは大人になれたんだろうか。