第3幕 ページ6
急に上から声が降ってきたことに気が付き、私は見上げた。
そこには、先程まで距離があるところにいた筈の赤髪の男子生徒が私を見下ろしていた。
?「そこをどけ。通行の邪魔だ。」
玲李「は、はあ…。」
彼の睨んだ顔の迫力に少し驚き、私は咄嗟にその場から避けた。
?「はっ、言えば分かるじゃねえか。この天花寺翔様を間近で見れたことをありがたく思えばいい!!」
玲李「…。」
校舎に向かっていく赤髪の男子生徒の背中を、私は静かに見送ったのだった。
玲李「何、あの人…?」
突拍子のない出来事に、ぽかんと立ち尽くした。
それにしても、綾薙には他にも色んな人がいるのだなと実感した。
玲李「はっ、こうしてられない!早くここの職員室探さなくちゃ―――」
再び校舎に向かおうと足を踏み入れようとした。
?2「だからぁ、本当に愛してるんだって。」
玲李「ん?」
女性達の黄色い歓声に続いて、今度は甘い声が聞こえてきた。
その声の先を見ると、赤いメッシュがかかった黒髪の男子高生が誰かと電話をしていた。
…というより、見ての通りどうやら相手は女性のようだ。
?2「本当だって、俺はいつでも子猫ちゃんのことを考えているに決まってるじゃん。」
玲李(こ…子猫ちゃん…?)
今時女性を子猫ちゃんと呼ぶ人がいるんだ…。
?2「え、信じてくれない?う〜ん…それじゃあ、今度のデートで俺がどれだけ子猫ちゃんのこと好きか証明してあげるから、覚悟して?」
男子高生は更に電話に甘い声を囁く。
玲李(覚悟?ただデートするだけで覚悟っているの?)
電話を盗み聞きする身が言うことではないが、今とてもツッコみたかった。
正直、あんな口説き方をするものは漫画でしか見たことがない。
?2「おっと、そろそろ時間だからまた後でゆっくり話そうぜ?…ああ、俺も愛してる。」
甘い一言を残した後、彼は電話に向かってチュッとリップ音を立て通話を切った。
?2「さて、今日のデートは愁にバイク借りてくか。」
そして、私にも気付かず何事もなかったように校舎へと向かっていった。
玲李「…甘い…甘すぎる…。」
ドン引きだった。
普通レベルの口説き方ではない。
まるでホールケーキを丸ごと食べて胃もたれを起こした気分だった。
玲李「って、また何してるんだろう!早く行かなくちゃ!」
また再び足を踏み出そうとした時だった。
?3「アオーン!!」
玲李「へ?」
急に近づいてくる気配に私は振り返った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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トキヤlove - 倉野柚稀さん» こんにちは 返信ありがとうございます。検討中ってことは、更新が近いってことですか?楽しみに待ってます。 (2017年8月3日 18時) (レス) id: e59d869c74 (このIDを非表示/違反報告)
倉野柚稀(プロフ) - トキヤloveさん» こんにちは!応援ありがとうございます(*^^*)Freeの更新再開も現在検討中なのでそれまでお待ちください! (2017年8月3日 16時) (レス) id: 14d16b7a38 (このIDを非表示/違反報告)
トキヤlove - はじめましてトキヤloveと言います。続きが気になります。free!も更新再開楽しみに待ってます。頑張って下さい。 (2017年8月2日 23時) (レス) id: e59d869c74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:倉野柚稀 | 作成日時:2017年6月26日 1時