Diamond Girl 【10】 (ページ24)

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樹｢遅いな……｣

今日はAが退院する日。

｢集まろうね｣と打ち合わせしていないのに、各々仕事終わりにAの家に集まった事に自分達がどれだけAの事を心配していたか思い知らされる。

時計の針は23時をさしているのにまだAは家に帰って来ない。

樹｢もしもし、今大丈夫？｣

マネ｢うん、俺も今電話かけようと思ってた。
皆揃ってるよね、恐らく｣

樹｢よく分かったね…笑
皆Aん家居るよ、今Aと一緒？｣

マネ｢その事なんだけど……｣

電話越しで聞こえたマネージャーの声に耳を疑った。

マネ｢追加公演、A抜きの6人でやる事になった…｣

樹｢どういう事だよ……俺達の意見は無視なわけ…？｣

マネ｢ドクターストップがかかったんだ、まだ完全に完治してないからダメだって。ライブまで1ヶ月切ってるし、もうキャンセルも出来ないんだ。
6人の気持ちは分かるけど、Aの分まで頑張って欲しい……ごめん、俺が泣くのおかしいよなっ……｣

マネージャーも苦渋の決断だったのだろう。
悔し紛れに泣き声を漏らしている。

樹｢Aは…どこに居るの｣

マネ｢皆には言うなって言われたんだけど、今は実家に帰ってる。暫くは実家に居るって｣

樹｢そ、か、｣

マネージャーとの電話を切り、頭にはてなが浮かんでいた残りのメンバーに内容を伝える。

高地｢A…出れないの…｣

北斗｢ライブに向けてあんなに練習してたのに…なんかすげぇ悔しいわ…｣

森本｢A…今どこに居るって…？｣

樹｢暫くは実家に居るらしい｣

それを聞いた瞬間ガタッと椅子から立ち上がったジェシー

立ち上がったジェシーの腕を掴むきょも

京本｢行くな｣

ジェシー｢なんでっ…！！今すぐ会いに行って慰めてやんねぇと！！｣

京本｢今は俺らが会うべきじゃない｣

京本｢ひとりに、してやってくれ…｣

そう言って顔を上げたきょもは今まで見た事ない表情をしていて息を飲んだ。

本当はきょもだって今すぐAに会いに行ってあげたいはずなのに、Aの気持ちを優先的に考えてこう言える所、本気でかっけぇと思うよ。

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