君の声が聴きたい② (ページ2)

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きらきらページ2

文化祭当日。
学校は普段はない装飾や、浮かれた生徒たちで溢れかえっていた。
いつもより騒がしく、和気あいあいとしているザク共が煩わしくとても居心地が悪かった。

開会式を終え、一度教室へ戻る。
それからは各々が好きなように行動していた。クラスで作ったTシャツを着て、いつもと違う髪型にして写真を撮る姿は、自分からすればなんとも滑稽だった。ただそれは彼女も例外ではなく、いつも部活動以外ではおろしている髪を後ろで団子にし、編み込みをしている。
いつもとは違う新鮮な姿に少しドキりとした。

(他の奴は滑稽だが、あの子は可愛いと思うんは都合良すぎやろか。)

なんて事を思っていると自由時間になった。彼女と回るのは、彼女の部活のシフトが終わってから、自分のシフトになるまでの2時間ほど。
特に周りたいところもないので、彼女のシフトが終わるまで教室にいることにした。

星や天体が浮かぶ教室はいつもの風景とは全く別物で知らない場所にいるようだった。ただ学校全体の浮かれたあの空気よりもずっとマシだった。

飾り付けてあるもののほとんどはあの子が作ったものだった。
本当に楽しそうに作っていた。
単に絵を書いたりするのが好きなのだろうと思っていたが、それだけではない気がした。
彼女にとって文化祭は制限はあれど自分が参加できる初めての大きなイベントだ。いつもより浮かれていたのは一目瞭然だった。それ程彼女は我慢を強いられてきたのだろう。

まぁ、あくまで憶測に過ぎないが。

準備期間、彼女が一生懸命に作業をしていたのを知っているから、あの子が楽しければそれでいいと思いながら、教室を見回す。

ただのダンボールや紙に色をつけただけなのに、なんだかキラキラして見えるのは、そのせいだろうか。

(思ってるよりゾッコンやな、これ。)

そんな事を思いながら、早く時間が経つ事を願った。