黒の組織の天才ハッカー

13話 ページ15

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(安室視点)





裏切り者だと、突き詰めたのに、




『！！…何故今、コードネームを…』

「あのね、ちゃんと考えてよ。もし、私が今話したこと全てを報告書に纏めてジンに渡していたら、貴方はここにはいない。もうとっくに殺されてるよ」




そう言った彼女はコーヒーをひとくち飲む。

(…確かにそうだ。疑わしきは罰する。それが組織のやり方…でもなぜ)




『…！話していないんですか？』

「うん。私とバーボンだけの秘密」

『どうして…』




持っていたファイルをギュッと握りしめた俺に近付いてくる彼女。
頬に添えられる手に、何故か俺は身構えもしなかった。




「……貴方はここには似合わないから」

『…っ！』




そう言った名字Aの声は震えていた。





「そんな綺麗な目をしてる人は、この組織には似合わない。…貴方の写真を見たとき、何故こんなところにきてしまったのって、そう思ってた。」

『コードネーム…』

「……だからNOCかもってわかったとき、どこか安心したの。この人は、ちゃんと外の世界の人だったんだって」




俺を真っ直ぐ見る彼女から目を離せなかった。

NOCだとわかってもなお、俺を庇っている彼女の口から真実を聞くべきだ、と頬にある彼女の手に自らの手を添えた。




『………僕も、貴女の事を調べました』









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