メイズ43 ページ44
…
ト「ギャリー…」
テレ「待って…刺されてる。」
よく見ると、ギャリーの首元にはグリーバーにより刺傷があった。
ギャリーは泣きそうになりながら…持っていたキーをその場に捨てた。
ギャ「出られねぇんだ…っ」
ギャリーの右手には…拳銃が握られてる。
ト「出てるよっ…もう出てる。みんな自由だ…っ」
ギャ「自由…っ? 俺達のどこが自由だっ…いや…この場所からは逃げられないっ」
そう言ってギャリーは、トーマスに拳銃を向けた。
『ギャリー……っ…』
ニュートが私を自分の背中に隠した。
ト「ギャリー…なぁ聞け。お前は混乱している。心配ない。僕らが力になる。その銃をおろせ。」
ギャ「迷路は俺の家だっ…」
ト「銃を下ろすんだ…!」
ギャ「皆の家だ…っ!」
ギャリーが、引き金を引こうとする。
チャ「ダメぇーーー!」
チャックがトーマスの前に行く。
けどその反応より少し早く、ミンホが槍を…
ギャリーに向かって投げた。
その槍はギャリーの胸へと突き刺さった。
『っ…!』
その光景を見ていられなくなり…
私はニュートの背中にしがみついた。
ギャリーの苦しそうな声が聞こえ…
やがて倒れる音が聞こえた…。
チャ「あぅ…ぁ…っ……。トー…マスっ…?」
それと同時に聞こえたのは…
チャックの苦しそうな声と…
誰かが倒れる音…そしてトーマスの慌てた声だった。
ト「チャック…!」
ニュートの背中から顔を覗かせると…
チャックの胸から赤い血が…
どんどん広がっていってるのが見えた…
『チャック…?』
私はニュートから離れ、チャックの元に駆けつけた。
『チャック…っ!』
ト「くそっ…嘘だろ!こっちを見ろチャック!僕を見ろ!」
チャ「大丈夫っ…トーマスっ…!」
するとチャックは何か小さな木彫りの人形を
トーマスの前に差し出した。
ト「ダメだ…チャック…!それは自分で渡せ!そう言っただろ!」
チャ「受け取れ…っ…!」
『チャッ…ク…っ…』
涙が止まらない…っ。
チャ「ありがとうっ……」
『チャック…っ…嫌だっ…』
チャ「Aっ…君は…ほんとに自慢の…お姉ちゃん…っだよ…」
『いやだ…チャック…っ…目を閉じ…ないでっ…』
チャ「トー…マスっ…頼んだよっ…」
その言葉を最後にチャックの目から光がなくなった。
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作者名:こたゆの | 作成日時:2019年1月31日 5時