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「テメェさっさと起きろ!」
気持ち良く寝ているとそれを邪魔する最悪な声が聞こえた。
「なんで獅音が私の部屋にいるの?」
「おばさんが入って良いってよ」
お母さんはこんなクソ不良を部屋に入れて心配じゃないのか?
襲われたら金的にも将来的にも潰すよ?
「朝っぱらから何の用?」
「もう昼過ぎだ馬鹿」
昨日はなかなか寝付けずに気づいた明け方だったので今は既に昼をとうに越えていた。
「で?」
「ほらよ!」
ぶっきらぼうに小さな箱を渡された。
「どうしたの?」
「この間の詫び」
「この間?」
「絡まれただろ?俺の客に」
この間絡んできた不良のお詫びらしい。
中には私が好きなモンブランが入っていた。
他のケーキはイマイチなのにモンブランだけは美味しい、隠れ名店のお店のものだった。
「獅音!コーヒーいれてきて!」
「なんで客の俺が入れんだよ!ふざけんな!」
「ちゃんとお皿とフォークもね」
文句を言いつつも部屋から出て行った。
もちろん入れるのはお母さんだろうし、その程度のパシリならお母さんも想定済みだ。
軽く顔を洗って寝巻きから簡単な部屋着に着替えた。
「おい!開けんぞ!」
コーヒーと二組のお皿を持って戻ってきた。
「え?獅音も食べるの?」
「ふざけんな!俺が買ったケーキだぞ!」
ケーキが一つ減ってしまったが仕方ない。
「獅音って馬鹿なのに変なとこ律儀だね」
「は?」
「馬鹿だから律儀なのか?」
モンブランの美味しさを味わっていると目の前の獅音がワナワナと震えていた。
「馬鹿正直だし、単純馬鹿だし」
「テメェそれ褒めてんのか?」
「褒めてる褒めてる」
褒めてるの言葉に機嫌が直ぐに治るあたり、本当馬鹿なんだなって思ってしまう。
「本当このモンブラン最高!」
獅音が残しているっぽい上に乗った栗を奪い取った。
「テメェメイン取ってんじゃねぇよ!」
「苺と栗ならどっちがメイン?」
「は?そりゃあ苺だろ」
「じゃあ栗はメインじゃない」
苺なんてどこにもないけどショートケーキの苺をとらなかったら良いでしょ?とありもしないショートケーキを出すと獅音の思考はショートしていた。
「さ、食べ終わったなら出てって!女の子の部屋に勝手に入ったって痴漢で訴えるよ」
キャンキャン言ってる獅音に食べ終わったお皿を押し付けて部屋から追い出した。
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月華(プロフ) - 寧珠*さん» そんな初期から見てくれてたんですね!ありがたいです。こんな過疎地でねじゅちゃんの目に止まるなんて頑張って良かった!笑 (2022年9月30日 23時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
寧珠*(プロフ) - 月華さん» 実は最初から読んでて、お気に入り登録も2人目とかだったような…ねじゅが月華さまの作品を読まないわけには参りません…! (2022年9月30日 19時) (レス) id: 7da35a518d (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 寧珠*さん» コメントありがとうございます!!ねじゅちゃんに読まれてたのにはびっくりだけど気に入って貰えたなら良かった〜!続きもノープランだけど頑張ります!! (2022年9月30日 19時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
寧珠*(プロフ) - 意味があるのかは不明ですが、読む度に評価いれるくらい好きです♡続きが楽しみだ…! (2022年9月30日 11時) (レス) @page42 id: 7da35a518d (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 咲良さん» わーい!コメントありがとうございます!無理くりイザナと絡めちゃった!ここからヤンデレ始まるか!?全くのノープランです! (2022年9月15日 8時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月華 | 作成日時:2022年8月19日 11時