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母に強請って買ってもらった携帯に一番最初に電話が来たのは真夜中だった。
うとうとしていた中でけたたましく携帯が鳴って飛び起きた。
「あれ？音消してたはずなのに…」
夜は音を消して寝ていたはずなのにいつのまにか解除されていて着信音が鳴り響いた。
相手はワカくんで、こんな時間にと無視しようかと思ったが、文句の一つでもいってやらないとと出る事にした。
「ちょっと、ワカくん今何時だと……」
「……今から迎え行くから家出てこい」
「何言ってんの？こんな真夜中に」
「１０分で着く」
それだけ言って電話が切られた。
１０分程でワカくんのバイクの排気音が荒々しく近づいてくるのがわかった。
部屋着から簡単に着替えて外に出た。
真夏なのに肌寒く感じたのは真夜中だからだろうか。
無言でバイクの後ろに乗せられて連れてこられたのは病院で意味がわからなかった。
「ワカくん？」
手を引くワカくんの手が僅かに震えているのがわかった。
エレベーターの行き先を示すのは地下で心臓の音が鼓膜に響いた。
廊下にはベンケイくんが立っていて目を合わせてはくれなかった。
部屋から漂う線香の香りが思考を停止させた。
「……中に真ちゃんがいる」
「誰の為の部屋なの？」
霊安室と書かれたその部屋は重々しく扉が閉じられていた。
「……ねぇ……真一郎くんは誰の付き添いでいるの？」
無言のままのワカくんとベンケイくんに詰め寄るが答えてはくれなかった。
扉が内側から開けられて万次郎が飛び出してきた。
声をかけるまもなく一人で出て行ってしまった。
開けられた背後から見えたのは１ヶ月前に知り合って夏休みになってからは毎日のように顔を合わせていた人。
「……冗談だよね？……いつものつまらない冗談でしょ？」
足に力が入らずその場に座り込んでしまった。
そこから先の記憶はあまりなくて、お葬式には参列したものの涙のひとつも出なかった。
気づいたら新学期が始まっていていつも通り学校へと通った。
いつもと変わらない日常。
出会って１ヶ月ちょっとの縁は儚く潰えた。
元通りの生活に戻っただけと自分に言い聞かせた。
必要の無くなった携帯は電池が切れたまま机に投げ置かれていた。
学校に行って帰って寝るただそれだけの日常。
「テメェ何ぼーっと歩いてんだよ！」
耳をつん裂いたのはいつもの五月蝿い男だった。
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月華(プロフ) - 寧珠*さん» そんな初期から見てくれてたんですね！ありがたいです。こんな過疎地でねじゅちゃんの目に止まるなんて頑張って良かった！笑 (2022年9月30日 23時) (
レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
寧珠*(プロフ) - 月華さん» 実は最初から読んでて、お気に入り登録も2人目とかだったような…ねじゅが月華さまの作品を読まないわけには参りません…！ (2022年9月30日 19時) (レス) id: 7da35a518d (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 寧珠*さん» コメントありがとうございます！！ねじゅちゃんに読まれてたのにはびっくりだけど気に入って貰えたなら良かった〜！続きもノープランだけど頑張ります！！ (2022年9月30日 19時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
寧珠*(プロフ) - 意味があるのかは不明ですが、読む度に評価いれるくらい好きです♡続きが楽しみだ…！ (2022年9月30日 11時) (レス) @page42 id: 7da35a518d (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 咲良さん» わーい！コメントありがとうございます！無理くりイザナと絡めちゃった！ここからヤンデレ始まるか！？全くのノープランです！ (2022年9月15日 8時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華 | 作成日時：2022年8月19日 11時
