灰谷 竜胆side ページ45
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最初は獅音先輩の彼女だと思ってた。
話しを聞くに獅音先輩の片思いなんだとわかった。
きっとこいつもその辺の女と同じで、オレらの顔にしか興味のないんだろうなと捨ててやるつもりで誘った。
遊ぶ相手なんて腐るほどいる。
何度か関係を持てば勝手に彼女ヅラしてくる奴を蹴散らし歩いてきた。
「A」
名前を呼んで組み敷けば首に腕を絡ませてキスを求めてくる。
変に恥じらって何もしないマグロ女とは違いお互いを高め合う為に熟知したその動き。
「っ竜胆くん……んっ!」
かと言って全く恥じらいがないわけでもなく、攻め立てれば甘く反応した。
コイツとなら一時でも付き合ってみてもいいのかもと思い「付き合う?」と聞いてみたらまさかの「童 貞?」と返されてしまった。
こっちから言ってんのにそんな風に言われるとは思ってなくてさらに興味を惹かれた。
数回会った後に街中で兄ちゃんと一緒にいた時にAを見かけた。
「Aじゃん」
兄ちゃんの反応からその二人の間に何かあった事がわかってしまった。
Aに似合う服を選んで買い込む兄ちゃんの姿は楽しそうで頭を抱えた。
「あの家といい、買い物といい灰谷家の金銭感覚がバグってるのがわかったよ」
そんな事を言われてどこで何があったのかがわかってしまった。
「は?オマエうち来たの?」
「兄ちゃんの様子からヤッたのかなとは思ったけど家かよ」
兄ちゃん絶対女を家、特に自分の部屋に入れないのに。
それに前にオレが彼女連れてきたら「うるせぇし臭えからあの女出禁な」と言われたのに。
「なーに?竜胆嫉妬?」
兄ちゃんに言われて否定したが心はモヤモヤしていた。
しかも恋人のように甘やかすなんて兄ちゃんらしくもないし、なんでオレに連絡くれねぇの?とモヤモヤが募った。
オレとの数回は割り切った関係って感じで恋人同士のイチャつきとは少し違ったのに。
自分の兄とAとのやりとりを思い浮かべると複雑でしかなかった。
兄ちゃんと共有とか勘弁って思ってたのに…
「オレに連絡してくれりゃあいいじゃん」
口に出たのはそんな不満だった。
「竜胆くんは弟属性だから甘やかしたくなっちゃうからダメ〜」
「じゃあ甘やかしてよ」
後ろからAを抱きしめた。
ただの暇つぶしの遊び相手だと思ってたのに思い通りにならないAに「私だけを見てよ」と言った昔の女達を思い出した。
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月華(プロフ) - 寧珠*さん» そんな初期から見てくれてたんですね!ありがたいです。こんな過疎地でねじゅちゃんの目に止まるなんて頑張って良かった!笑 (2022年9月30日 23時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
寧珠*(プロフ) - 月華さん» 実は最初から読んでて、お気に入り登録も2人目とかだったような…ねじゅが月華さまの作品を読まないわけには参りません…! (2022年9月30日 19時) (レス) id: 7da35a518d (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 寧珠*さん» コメントありがとうございます!!ねじゅちゃんに読まれてたのにはびっくりだけど気に入って貰えたなら良かった〜!続きもノープランだけど頑張ります!! (2022年9月30日 19時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
寧珠*(プロフ) - 意味があるのかは不明ですが、読む度に評価いれるくらい好きです♡続きが楽しみだ…! (2022年9月30日 11時) (レス) @page42 id: 7da35a518d (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 咲良さん» わーい!コメントありがとうございます!無理くりイザナと絡めちゃった!ここからヤンデレ始まるか!?全くのノープランです! (2022年9月15日 8時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月華 | 作成日時:2022年8月19日 11時