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「兄ちゃん学校行くの?」



2年になって初めて学校に顔を出した。



流石に竜胆とはクラスが違うらしい。



クラスのその辺のやつに自分の席を聞くとビビりながら素直に教えた。



「あ」



隣の席の女が口を開いた。



「あの時の返り血くん、君が灰谷くんだったんだね」



あの頃の面影を残しつつ成長したAの顔。



「私、林原Aよろしくね」



「…うるせぇ。話しかけんな」



「……ごめんね」



Aの顔が見れなくて顔を背けた。



授業が始まり窓の外を眺めていた。



どうせセンコウなんてビビって俺を当てるなんてしないから。



視界の端に何かが転がった。



隣の席から消しゴムが俺の足元に落ちたのだ。



いつもなら絶対に拾わないだろう消しゴムを拾い渡した。



「灰谷くんありがとう」



その笑顔は昔と変わらない。



手を伸ばしたくなる衝動を止める為顔を背けた。



あの頃と変わらない綺麗なままのお前を拒否する事しか出来ない。



机に伏して寝たふりをする事にした。



(蘭ちゃんまた授業中寝てたでしょ?)


(蘭ちゃんの髪がキラキラで眩しくて見えません)



俺だけが覚えてる記憶。



授業が終わりいつもなら飽きて屋上にでもいくが今日はそのまま机で寝る事にした。



「A!」



クラスメイトの誰かがAに近づいた。



「昨日2組の上杉くんに告白されたって本当?」



あまり大きな声ではないが隣の席での話の為しっかりと聞こえた。



「…あー、まぁうん」



煮え切らない反応に意識が集中する。



「彼めっちゃイケメンじゃん!付き合う事にしたの?」



「お断りしたよ」



心臓が跳ねた。嬉しさで口角が上がるのが自分でもわかった。



「Aモテるのに誰とも付き合わないよね?好きな人でもいるの?」





(私の初恋を蘭ちゃんにあげるね!)





「いないよ。初恋もまだです」



「付き合ってみたら変わるかもよ?」



「んー。ごめん。私さ、好意のある異性の視線?とかがダメで…」



「そっかぁ。確かに男子高校生なんてやりたい盛りでギラギラしてるもんね」



薄く笑うAの声を聞きながら眠りについた。

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 灰谷蘭 , 灰谷兄弟   
作品ジャンル:恋愛
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月華(プロフ) - 霧菜さん» 初コメントありがとうございます。霧菜さんに気に入って貰えたなら良かったです。 (2022年5月2日 18時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
霧菜 - 最後、泣きそうになりました。神作品です。 (2022年5月2日 17時) (レス) @page39 id: fd52a6e4cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月華 | 作成日時:2022年2月22日 23時

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