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いつからか灰谷くんくんが登校してる日は彼を目で探すようになったのは。



「あ」



昼休み灰谷くんは一人屋上の階段を登って行った。




ついて行きたいけどストーカーウザいって思われちゃうかな。




もし女の人と逢引だったら立ち直れない。




屋上の扉の前で息を潜めた。




誰かと一緒の気配はない。



自然に偶然を装おう。



意を決して扉を開けた。



「あれ?灰谷くんが先いた」



「は?何でこんなとこ来てんの?」
 


やっぱりウザかったらしい。



「屋上って来た事ないから入れるのかな?って」



灰谷くんの苛立ちを気づかないフリして話を進めた。



「変な奴が溜まってたら危ねーだろ」



「灰谷くんがいたね」



「男はみんか危ねーの」



灰谷兄弟は過保護なのかな?



「灰谷くんは私なんかに手を出すほど女に困ってないでしょ?」



灰谷くんの弟くんに妹みたいな存在がいたってことは灰谷くんにも妹的な子がいたってことなのかな?



そんな存在がちょっとだけ羨ましかった。



「空が高い。もうすぐ夏だね」



「ん」



灰谷くんの隣は居心地が良い。



今日は周りには人がいないからちょっとだけ勇気を振り絞ってみよう。




「灰谷くんは夏のお祭りとかって行ったりするの?」



「……何年も行ってねぇ」



前は行ってたんだね。



例の妹的な子とかな?

それとも好きな子とかな?



「毎年夜は親が心配するからお祭り行けないんだよね。事故にあってから過保護になっちゃって」



「ナンパされるだけだから今年もやめとけ」



「されないよ。あ!でも灰谷くんが護衛してくれても……」



「無理」



まあ、そりゃあそうだよね。



「だよねー。今年も浴衣はお蔵入りか。着た記憶のない浴衣が大事に仕舞ってあって、誰と着たのかな?とか気になってるんだよね」



今年も家からかすかに見える花火で我慢しよう。




「……うちの家から花火見えるけど」



「本当!?いいなぁ私も見たい!!」



「人混みは無理だけどうちのベランダで勝手に見るだけなら」



灰谷くんのその言葉に気持ちが浮上するのが自分でもわかった。



「行っていいの?」



「お前の過保護な親が許可だしたらな」



「往復はタクシー使うって言う!」



絶対何が何でも説得してみせる!



「約束だよ!」




灰谷くんとまた一つ約束事が出来て夏が待ち遠しくなった。

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 灰谷蘭 , 灰谷兄弟   
作品ジャンル:恋愛
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月華(プロフ) - 霧菜さん» 初コメントありがとうございます。霧菜さんに気に入って貰えたなら良かったです。 (2022年5月2日 18時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
霧菜 - 最後、泣きそうになりました。神作品です。 (2022年5月2日 17時) (レス) @page39 id: fd52a6e4cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月華 | 作成日時:2022年2月22日 23時

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