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「おい」
後ろから灰谷くんに声をかけられた。
「約束のは?」
「…色んな女の子から貰ってもう迷惑かなって」
「は?他の奴のは貰ってねーよ」
あんなに女の子達がいたのに?
「最初に約束したろ?」
「先着1名だったの?」
マフィンを出し、灰谷くんに渡した。
「さすがに授業で作っただけあってそれなりに美味しく出来たと思うんだけど?人に食べてもらうの初めてだから緊張する」
緊張から灰谷くんの顔が見れず無駄な話が増えてしまう。
意外にも灰谷くんはマフィンを完食してくれた。
「美味くなったんじゃねーの?」
指についたマフィンを舐める仕草に胸が高鳴った。
「灰谷くんのお墨付き貰えた」
緩む口元を手で隠した。
「他の奴に食わせれるほどじゃねーけどな」
残念。美味しいはお世辞だったらしい。
「あらら。じゃあまた灰谷くんが毒味してくれる?」
「食えるもん作ってこいよ」
「精進します」
顔を上げると灰谷くんの手が私の頬に伸びてきた。
びっくりして身体がこわばってしまった。
「次に期待しとく」
灰谷くんの手は私に触れる事なく灰谷くんは立ち上がり教室を出て行ってしまった。
顔が赤く熱を持つのが自分でもわかった。
「…灰谷くん女の子に慣れすぎだよ」
心臓が早鐘のように打っていた。
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月華(プロフ) - 霧菜さん» 初コメントありがとうございます。霧菜さんに気に入って貰えたなら良かったです。 (2022年5月2日 18時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
霧菜 - 最後、泣きそうになりました。神作品です。 (2022年5月2日 17時) (レス) @page39 id: fd52a6e4cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月華 | 作成日時:2022年2月22日 23時