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今日は家庭科でマフィンを作る日だ。




家族以外に作ったものを食べさせるのは初めてな上に私はお菓子作りが大の苦手だった。



「先生〜!お願いもう一回作り直させて下さい!!」



1回目は焦げて2回目はデロデロに。



泣きのもう一回でなんとか形になった。



なんなら分量は先生が測ってくれたので私は混ぜて流し込んだだけだが。



そんな苦戦を強いられてしまい気づいたら灰谷くんの周りは女子が集まっていた。



たまにしか来ない彼は学校のアイドルのようになっていた。



私はただの隣の席ってだけで特段美人でもグラマラスでもない。




彼と話すと言っても話しかけるのもいつも私から。




「……迷惑だったかなぁ」




女の子達の中に入れず自分の席にも座れない状態で私は教室を出て行った。







中庭のベンチでマフィンを眺めていた。




「何してんの?」



不意に現れたのは灰谷くんの弟くんだった。




「灰谷くんの……弟くん?」




「弟くんって。竜胆って……あー、いやまだいいや。弟くんで」




「ん?なんかごめん」




なんて呼んだら良いのかわからずお互い困ってしまった。




「それ今日の家庭科の?」




「弟くんも誰かから貰ったの?」




「いや断んのもめんどくせぇし逃げてきた」




人の手作りは食べれないタイプのようだ。




「昨日灰谷くんに隣の席のよしみであげるって約束したんだけどさ、女の子達がみんな灰谷くんにあげに行ってたから私の不恰好なマフィンじゃ太刀打ち出来ないなぁって」




あれだけ手伝って貰ったのに見た目はお世辞にも綺麗とは言えなかった。




「……大丈夫だよ。兄ちゃんにそれ渡してやってよ。多分待ってるから」




「……待ってるかなぁ?」



「食べるって約束したんだろ?兄ちゃん出来ない約束しないよ」



「……うん。頑張ってみる」




ちょうど昼休みも終わりの時間になり、教室に戻ったら灰谷くんも女の子も居なくて少しホッとしてしまった。

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 灰谷蘭 , 灰谷兄弟   
作品ジャンル:恋愛
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月華(プロフ) - 霧菜さん» 初コメントありがとうございます。霧菜さんに気に入って貰えたなら良かったです。 (2022年5月2日 18時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
霧菜 - 最後、泣きそうになりました。神作品です。 (2022年5月2日 17時) (レス) @page39 id: fd52a6e4cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月華 | 作成日時:2022年2月22日 23時

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