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予備校が終わり帰る時間は夜の10時になっていた。
変な輩に絡まれる前にと足を早めると目立つ髪型が視界に入った。
金髪のロングの女の人の腰を抱きキスをする灰谷蘭だった。
自分とは世界が違うとわかってたはずなのに痛む胸はなんでだろう。
彼らのいる道を通らないと家に帰れないので、なるべく顔を伏せて走った。
「え?A?」
手を引かれて振り返った見た彼の唇には赤い紅がついていた。
「お取り込み中すみません」
手を振り払い走った。
追いかけてくるはずのない彼がリーチの長い足で追い詰めて来てすぐに壁に押し付けられた。
「やめ…」
顔を見たくなくて逸らすが蘭さんの手が許してくれなかった。
「何その顔」
「な…にって」
「めっちゃ嫉妬してるって顔。そそられる」
「っ!!ふざけないで下さい!」
「もう店員でも客でもねぇし敬語やめろよ」
「店員でも客でもなくて、他人なのでそれは出来ません」
キッと睨みつけるように見上げるとそのアメジストの様な瞳に射抜かれる。
何度も夢で見た私を殺す時の眼だ。
「……か…彼女待ってますよ」
「は?あんなの彼女じゃねぇし」
「……キス……してたじゃないですか」
「あー、それで嫉妬?」
「してません」
次の瞬間唇に少しカサついた柔らかいものが触れた。
「んっ」
キスをされたことに気づいた時には彼の唇は離れていた。
「ならこれでオマエも彼女?」
めいいっぱいの力で蘭さんの綺麗な顔に平手で頬を打った。
そして彼から離れて走って帰った。
溢れる涙を拭うこともせず走って家まで帰った。
何で泣いている?
ファーストキスを無理矢理奪われたから?
正解のようで正解じゃない。
本当の正解がわからなかった。
『私の刺青どこにしようかな』
『Aに入れて欲しくねぇんだけど』
『蘭はめっちゃ入ってるじゃん。竜胆とお揃いの』
裸の彼の刺青をなぞった。
『幹部になるなら入れないとだもん』
『Aを梵天に巻き込みたくなかったわ』
『蘭といれるなら地獄だろうが反社だろうが着いていくよ』
笑い合ってキスをする。
夢の中のキスは愛と優しさに溢れていた。
『愛してる』
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みくる(プロフ) - 月華さん» 私は月華さんなりに終わらせてくれたら何でも嬉しいです!🤭メッセージさっき確認したんですけど、届いてなかったです!💦バグですかね?愛したためてくれたのめちゃくちゃ読みたい笑笑 (2022年9月22日 22時) (レス) id: 8d807adfab (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - みくるさん» なんだかオチを付けるべきかわかんなくて笑 誰にオチても不満でそう…。そういえばメールって返信届いてました?返信したってなってたけど送信履歴にみくるさんの作品の愛をしたためたのがなくて…。届いてたらいいんですが。 (2022年9月22日 19時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - 月華さん» 行き詰まるとかけ持ちしたくなるのわかります笑 応援してます♪ (2022年9月22日 12時) (レス) @page4 id: 8d807adfab (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - みくるさん» コメントありがとう!!自由恋愛が終わり見えないから掛け持ちしちゃいました!今回はシンプルに頑張ろうと思います! (2022年9月22日 11時) (レス) id: cb2ce3c237 (このIDを非表示/違反報告)
みくる(プロフ) - わーい!月華さんの新作だ!! 今回のはちょっとミステリアスで、これからがすごく楽しみです😻 (2022年9月22日 9時) (レス) @page3 id: 8d807adfab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月華 | 作成日時:2022年9月18日 19時