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~21~ ページ23

風「何言ってんだよ……。」









自分の声が震えているのがわかった。









それと同時にAと繋いでいた手の感覚がなくなっていくのもわかった。









『もう時間がないの……









でもこうするのが一番良かった…。









あの男の思うままになるのは嫌なの。』









こんな状況、理解しろって言う方が難しいだろ。









だけど俺だってAが居なくなる事ぐらいは理解出来る。









風「居なくなるなって言っても……、もう遅いんだろ………。」









ごめんね、って言いながら泣いているAにつられて、俺の頬にも生温いものが流れているのを感じた。









そんな俺はまだ微かに実体が残っているAにキスをした。









何回も、何回もした。









涙が止まらなかった。









胸が痛かった。









唇を離した時には手を繋いだり、抱きしめたりする感覚なんてもう無かった。









そんなAが最後に言った。









『風磨、愛してる……』









風「A…………」









そこで俺の意識は途絶えた。

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作者名:平社員 | 作成日時:2016年8月14日 22時

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