炭水化物で言ったらパン。 (ページ20)

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春、俺たちは3年になった。

部活を春試合にて引退した俺は、ともひろと過ごせる時間が長くなった事で毎日充実した日々を送っていた。

パフェに映画にお家デートにそのどこでも見れるともひろのあざとい姿に俺は溺れまくってる。
一度、俺希望でサッカーをした時には、その壊滅的なボール捌きに失礼ながらかわいいと思ってしまった事は俺の胸に留めておく。

それから、ともひろの家にお邪魔した時、紹介された真っ白なうさぎはともひろにそっくりで、あの日のスタンプを思い出させるそれだった。ともひろはでろんでろんになってその真白いカタマリと触れ合っていて。
それがどうしようもなく尊さを生み出した。無論、俺は写真を撮る事に専念した。

四月。それは桃色の花が空を埋め尽くす頃
いつもの如く、一緒に帰っていたともひろから時計をもらった。突然の出来事に驚く他なく

「イケメンくんにプレゼントあんねん」

「え、なに？！」

「はい」

「...時計?」

「うん」

「なんか..めっちゃ高そうやな」

「そんなん言わんといてや。素直にもらっとき」

重厚感ありすぎる箱に入ったそれは、皮のバングルに金のダイヤル、高校生が持つには時期尚早すぎる品だった。

桜色の空に、それと同じ色をしたアスファルト、そして今日も真っ白な君と重たい時計を抱えた俺。
奇妙でもある景色だった

「なぁ!着けてや」

「ぉおう」

「..うん！やっぱ似合っとる」

「なぁなんでこれくれたん？俺、誕生日まだやで？」

「....明日も一緒に居ってほしいから?」