STAY〜あの時の約束〜FTISLAND３

おまけ〜その後〜 ページ22

＿＿＿＿＿ 数ヵ月後



キッチンから聞こえてくるAの鼻歌に合わせながらギターを弾く。
Aが歌っているのはこの前オレたちが韓国でリリースした曲。

『あのホンギのマイクスタンドのアクションがいいよねぇ〜』なんて言って最近お気に入りの曲らしい。

Aと一緒に暮らし始めてどれくらい経ったかな…

オレ達は社長の計らいで宿舎の隣の部屋に住んでいる。
Aもだいぶ韓国の暮らしに慣れてきたみたいだ。

仕事は相変わらず忙しいけど、家に帰ってくるとAが笑顔で迎えてくれる。
そんな暮らしがオレに安心感とやすらぎを与えてくれていた。


「ねえ、Aちょっとこっちきて？」

オレが呼ぶとキッチンからひょこっと顔を出して『なあに？』と笑顔で応えるA。
そんな姿さえもたまらなく愛しい。

Aがオレの隣に座る。

「この曲、今度日本で出すアルバムに入れたいんだ」

そう言ってオレが弾いた曲は以前Aの為に作ったあの曲。

『えー？それ私に作ってくれたんじゃないの？』

Aは頬をふくらませてすねた顔をした。
ほんと、マジでかわいい…。

「もちろん、これはAの曲だよ？ただ、歌詞を変えて、みんなにもオレのAへの想いが詰まったこの曲を聴いてもらいたいんだ」

オレは1枚のCDをAに差し出した。
不思議そうにそれを眺めるA。

「それに入ってるのは、オレが歌ってるAだけの曲。オレが歌うのは、Aの前でだけ」

オレはAを抱き寄せた。
Aの温もりが優しくオレを包み込んでいく。

Aはゆっくり目を閉じた。
オレもその温もりを全身で感じながら静かに目を閉じた。


これからもずっと…

そばにいる



〜end〜

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