約束の場所で1 ページ16
「あの……いらっしゃいませんでした」
スタッフはものすごく申し訳なさそうに言った。
さっきまでのドキドキがすーっと止んで行く。
Aはあの約束を覚えていてくれて、ちゃんと観に来てくれた。
オレの顔を見て、『ジョンフン』と言って笑顔をくれた。
なのに…
もしかして、あの時の男はやっぱり彼氏で、あの男の元へと帰って行ってしまったのかもしれない
それでも……いいって思っていたじゃないか
あの約束を覚えていてくれただけでいいって思ったじゃないか
オレはスタッフに「いろいろと…すみませんでした」と頭を下げた。
すると「はい、あの…いらっしゃらなかったんですけど……これが…」と言って細長い紙をオレに差し出した。
見覚えのある封筒…
「これ…」
そう、オレがAに送った今日のチケットが入った封筒だった。
「女性はいらっしゃらなかったんですけど、椅子にこれが置いてあって、隣の席の方がまだいたので尋ねたら、たしかにこの席に髪が長くて背の低い女性がさっきまでいたとのことだったので…」
A…
オレはその封筒を開いて中のチケットを取り出した。
「あの…すみません、一応確認の為中を見させてもらっちゃいました……でも、私、韓国語読めないんで……」
そうスタッフは遠慮がちに言うと、「すみません、仕事があるので」と頭を下げ戻っていった。
オレが渡したはずのチケット
そのチケットには大きなハングル文字で
「ジョンフン愛してる」と書かれていた。
Aは今でもオレの事を…
オレは急いで楽屋へと戻った。
楽屋はまだたくさんの人で盛り上がっている。
ホンギ「あ!ジョンフンどこ行ってたんだよー。この後会場で写真撮るって!」
ミナン「その後は焼肉だよー!!焼肉ぅーーー!!!」
「ちょっと、ホンギいいか?」
オレはホンギを手招きした。
ホンギ「なに?」
「オレ、この後行きたいとこがあるんだけど」
ホンギ「は?だって打ち上げあるぞ?」
「わかってる。でも、今行かなきゃいけないんだ」
ホンギはまた大きな目でオレをじっと見つめた。
ホンギ「Aがいたんだって?」
「え?」
ホンギ「ジェジンに聞いた」
ジェジンを見るとおどけたような表情をして、ウインクをした。
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革ベルト
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ひろ(プロフ) - おまけだけ読んだのにまた泣いちゃった〜!やっぱりSTAYは大好き♪ぴょんちゃんの作品は心がこもっているからホントに大好きだよ!ありがとう♪ (2014年7月24日 3時) (レス) id: fe2482b18c (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - まいさん» はじめまして♪長い作品ですが最後まで読んでいただきありがとうございます(*´ω`*)他も読んでいただけたら嬉しいです♪ (2013年11月14日 12時) (レス) id: 23b70597e5 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - すみませ(>_<)絵文字が?になってしまいましたm(_ _)m (2013年11月1日 21時) (携帯から) (レス) id: 315e2a41bd (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - 凄く、楽しめました
ありがとうございました
違うストーリーも読ませて頂きますね (2013年11月1日 21時) (携帯から) (レス) id: 315e2a41bd (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - 初めまして♪ありがとうございます〜(o^∀^o) ブログは『ふに時々えぷ日記』で検索すれば多分一発でhitすると思います☆ しょうもないことばっかり書いているブログですが良かったら見てくださいね♪ (2012年11月18日 0時) (携帯から) (レス) id: 9bf5f80f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴょん | 作成日時:2012年5月31日 16時