STAY〜あの時の約束〜FTISLAND３

再会３ ページ12

〜ジョンフンサイド〜


アンコール前の全ての曲が終わり、ものすごい歓声に見送られてステージをはける。

こんな充実したステージは初めてだ。
アンコールも盛り上がるよう力を出し切ろう。

急ぎ足で楽屋に向かう途中、いきなりジェジンに腕をつかまれてオレは引っ張られた。

「ちょ！どうしたんだよ？」

オレが問いかけてもどんどん引っ張って行く。
楽屋を通り過ぎた所で、やっと腕を離された。
ジェジンはいつになく真剣な表情でオレを見ている。

あれ？オレどっかでミスしたかな？
こんな引っ張って来てまで言うことだからよっぽどのことだよな…
なんの曲の時だろう……
あ、もしかして…

「あのイントロのタイミング早かったのは…」

ジェジン「違うって！！」

え？じゃあ……なんの時だ？
結構今日は完璧にやってたつもりだったんだけどな…

ふとジェジンの脚を見ると右の太ももの部分がパカっと破けてる。
思わず噴出して「お前パンツ破けてんぞ？笑」と大笑いしてしまった。

ジェジン「ウエ？ウエ？あー…あの時かぁ……って！そうじゃなくて！！」

「だから、なんだよ？」

ジェジンは息をすーっと吸い込んで「いい？落ち着いて聞いてね？」と言った。


ジェジン「ヌナがいる」

「は？ジェジンの？」

ジェジン「アニ！アニ！いや、僕の姉さんも今日は観に来てるけど、そうじゃなくって！！」

「？」

ジェジン「A！！Aがいる！！」



A……って言った？


「ど、どこに！？」


すると楽屋から「おい！着替えないとアンコール間に合わないぞ！急げ！」とスタッフが顔を出した。

ジェジンは破けたパンツを見ながら、「やべっ…着替えないと」とつぶやくと「スンヒョンの前！2列目！！」そう言って楽屋へ駆け出した。

「ヒョンも早く！！」楽屋からジェジンの大きな声が聞こえた。

慌ててオレも楽屋に入り、ツアーTシャツに着替える。
アンコールの軽い打ち合わせをするとステージへとまた向かった。


Aがいる…


来て…くれたんだ…

約束を覚えていてくれたんだ


思わず胸が熱くなる。


しっかりしろ！
オレはプロなんだから動揺するな！


頬を両手でバシッと叩いて自分自身に喝を入れるとステージへ再び出た。

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