STAY〜あの時の約束〜FTISLAND３

再会２ ページ11

〜ジェジンサイド〜


今日は、僕たちにとってすごく思い入れがあるライブだ。
メンバーみんなすごく緊張しているけど、興奮もハンパない。

僕も、胸のドキドキがいつものライブよりすごくって、意味もなくトイレに何回も行ってしまった。

いよいよ開演時間になりステージ裏に移動する。
緊張もマックスだ。

「よし！行こう！」スタッフの合図で一斉にステージへと上がる。

うわぁ……すごい…

ものすごい歓声に手を上げて応えたけど、手が震えそうだ。

曲が始まり、最初のうちは緊張でただ演奏するのに必死だった。
ホンギ兄さんやジョンフン兄さんは最初からリラックスしているように思えた。

盛り上げ方もうまいなぁ…

僕も３，４曲目くらいになってやっと落ち着きを取り戻して、楽しんで演奏できるようになってくると、ものすごく楽しくなってきて、メンバーとアイコンタクトを取ったり、動きも柔らかくなって夢中になって動く。

って、言っても、僕ボーカルやコーラスもやらなきゃいけないから、
そんなに動けないんだけど。

それにしても、本当に今日のお客さんはすごい盛り上がりだな〜。
僕も本当に嬉しい！

２階を見上げる。
あんなに高い所までたくさんの黄色い光で埋め尽くされている。
だんだん目線を下げてアリーナを見渡す。

ほんと、すごいなぁ…

みんな本当に心の底から僕達のライブを楽しんでくれているのが、
その表情一つひとつから伝わってくる。

その時、ある一人のところで目が止まった。
僕の斜め右の2列目。

みんながまっすぐにステージを向いてペンライトを掲げ楽しい表情をしているのに、
その人は目の前にいるスンヒョンを見るわけでもなく、
楽しい表情をしているわけでもなく、
僕のはるか左の方を見つめながら……そう、あれは泣いてる？


不思議に思いながらも、なんかすっきりしない。


どこかで…
見たことがある顔…


前もライブであった？……いや、違う。

ファン？だっけ？




「あっ！！！！」



思わずベースを弾き間違えそうになって、慌ててミナンの方に体を向けた。
そんな僕をミナンはニコニコしながら見る。


ヌナだ…

Aだよ！！！
間違いない、Aだ！！！



ジョンフン兄さんの方を見たけど、どうやら気づいていないらしい。

ど、どうしよう…

でもとにかく今はこのライブをこなさなきゃ！！

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