新しい出逢い２ ページ20
なんか、男の人に送ってもらうのって久しぶりだな
あれは、いつだったけ…
あぁ…そうだ、初めて宿舎に行った時だ。
すごくドキドキしながら帰ったっけ。
私、あの時大きなくしゃみしちゃって……
三浦「……ちゃん？Aちゃん？」
三浦君に呼びかけられてハッとする。
三浦「どうしたの？気分悪い？」
『ううん！ごめんなさい。ただボーっとしてただけ。』
三浦「ならいいんだけど。あ、この駅？」
ちょうど私の住んでいる最寄駅のホームに電車が入ったとこだった。
『うん、そう。あ、本当にここで大丈夫だから』
三浦「いや、だからそういうわけにはいかないって。あ、もしかして、なんかあやしんでる？」
『え！？いやいや、そうじゃないです！すみません』
私がそう言うと、三浦君は「あははは！」と笑って、優しい目で私を見た。
三浦「大丈夫、オレ本当に何もしないって。…て、こんなこと言うと余計あやしいな。笑」
私も思わず笑ってしまった。
いや、別にあやしんでいるとか本当に考えてなかったんだけどね、
でもなんとなく人を安心させる優しい雰囲気を持った人だった。
電車を降り、改札をぬけて家の方に並んで歩き出した。
三浦「あ〜寒いね！」
『うん、もうすぐクリスマスだしね〜』
三浦「クリスマスかぁ…。なんか１年てあっという間だな〜」
『そうだねぇ』
三浦「オレさ、去年のクリスマスはサンタの格好してバイトしててさ、町中カップルばかりなのに、オレなんでこんなことしてんだー！って無性に悲しかった思い出が」
『あはは。そうだったんだ？』
三浦「Aちゃんは去年は…って、あ、ごめん」
『ううん、大丈夫だよ？』
去年のクリスマスは
一緒にいられなかった。
でも、その前にもらった一足早いジョンフンからのクリスマスプレゼント
まだそれは私の首にずっと下げられている。
無意識にまた指輪に手が伸びる。
ジョンフン…
また…呼びかけては、泣きそうになる。
ふと前を見ると、もう私のアパートに着いていた。
『あ、ここなの。今日は送ってくれてありがとう』
私は溢れそうになる涙をこらえながら頑張って笑顔を作った。
三浦君はそんな私をじっと見て、「うん、おやすみ」と優しい笑顔で言って帰って行った。
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作者名：ぴょん
| 作成日時：2012年5月23日 8時
