【stgr】短き記憶に溢れる想い【短編】

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mrn Side


akg「それじゃ今日も頑張ろうね〜〜」


南署を後にする赤城先輩と、取り残された俺たち。


気まずい沈黙の中、Aが喋りだす。


　『ネル先輩は勝てっこないって』


Aの憧れであり、お手本である人。


その人が自分の好きな人のタイプ。


自分の立場でも心が折れるだろう。


落ち込むAに声はかけてあげられなかった。


　『でもまぁ、わかってたしね〜。赤城先輩が自分のこと何とも思ってないことくらい』


それでも好きなんだよね、と呟くA。


ふと横を見たら、綺麗な涙を流しているAがいて、少しだけ動揺する。


　『わかってたはずなのにさ、なんでこんなに苦しいんだろうね』


赤城先輩が好きなAとそのAが好きな俺。


どちらも苦しい思いをしているのに、どこかに良かったと心を撫で下ろす自分がいる。


赤城先輩がタイプはAみたいな人なんて答えていたら、俺の心は今頃傷だらけだろう。


それが今のAの状態なのに、こんな時でも好きな女の子のメンタルより自分のメンタルを優先してしまう。


ごめんな、A情けなくて。


mrn「勝てっこないな」


ネル先輩に勝てないAと、赤城先輩に勝てない俺。


　『復唱しないでよ〜』


笑いながら涙を流すAがあまりにも愛おしくて抱きしめる。


mrn「無理しなくていいよ。今は好きなだけ泣きな」


「ごめん、」という君の震える肩を抱き、頭を撫でる。


Aは好きな人にちゃんと向き合って、ダメでもぶつかってるのにな。


俺はなんてずるい人間なんだろう。



mrn「A、俺ずっとAのことが好きだよ」



　『今、それ言うのずるい』


ずるくてもいい 赤城先輩の代わりでもいい



君の 悲しみの 淋しさの 一番近くにいたい


いつか俺が 彼を忘れさせる その時まで



いつか君が 俺のことをホントに好きになる その時まで



そばにいるよ



＜完＞

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