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その日1日俺は、どうやってチェイスしたのかも、検挙したのかも、ヘリを運転したのかもあまり覚えていない。
もうずっと魂が抜けた状態で仕事をしていたと思う。
nrs「飯、食いに行こう」
なるせが気を利かせて誘ってくれる。
車を出した後、俺ん家に向かう途中、なるせが口を開く。
nrs「どーすんの。」
そんなの俺が聞きたいんだって。
nrs「Aさ、らだおと話す日の朝泣いてたよ。オルカたちの話ききながら」
rdo「なるせはさ、いいよね。Aの思ってること全部聞けるから。2人出来てんのかーって噂もあったし。」
典型的な八つ当たりってやつ。自覚はしてた、けどなるせにしか当たれなかった。
実は、もう出来てんじゃないの。そういった瞬間なるせが急ブレーキをかけた。
nrs「お前さ、マジで言ってんならマジでだせぇよ。Aが俺に言うのもさなんでとか考えないわけ?
言わせるまで吐かせてんだよ、こっちは。なんでもない、ああそうですかで終わらせてるらだおには
言われたくないね。あと、お前が俺らを怪しんでる分、Aも同じこと思ってたのもうちょっとわかったほうがいいよ。
体験の子、どれだけAが嫌だったか、何度訴えたか、でも仕事だから我慢しなきゃいけない。
考えたってもうAは帰ってこないけど、俺らにあたる前に、自分のことちゃんとしろよ」
俺帰る、って飯も食わず帰っていったなるせ。
その通りだと思うし、なるせにはやっぱり勝てねぇなって思った。
Aのことちゃんとわかって見てたのは、俺じゃなくてなるせだったのかもしれない。
いや、なるせに負けたって認めるのが怖くて、なるせのほうがAをわかっているのがいやで
分かろうとしてなかったんだよな。
A、会いたいよ。
____________
Aの存在を忘れられず過去に縋りついたまま、1年が経とうとしていた。
毎朝、Aの声で起きている気がするし、家にいてもどこかにAがいる気がする。
この前だってパトロール中にAによく似た女性を見つけた。
俺はずっとAの幻影を見て、わかったことがある。
あの頃の俺にとっての、いちばん大好きで大切なものは仕事でもなくて、ちゃんとAだったよ。信じてくれないよな。
君がまだ生きていようとなかろうと、俺はずっと君の幻影を見ながら、君を待っているよ。
この恋に僕が名前をつけるならそれは「ありがとう」
<完>
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217-nina-(プロフ) - ポピーさん» ポピー様、大変長らくお待たせいたしました!続編更新いたしました。 (3月22日 17時) (レス) id: ce3d0b0ff1 (このIDを非表示/違反報告)
217-nina-(プロフ) - mioさん» mio様、大変長らくお待たせいたしました!続編更新いたしました。 (3月21日 18時) (レス) id: df71f3213f (このIDを非表示/違反報告)
璃梨 - 217-nina-さん» ありがとうございます!!!!!!!! (3月20日 17時) (レス) @page36 id: 8c955eb6e7 (このIDを非表示/違反報告)
217-nina-(プロフ) - 璃梨さん» 璃梨様、大変長らくお待たせいたしました!続編更新いたしました。 (3月18日 18時) (レス) id: df71f3213f (このIDを非表示/違反報告)
217-nina-(プロフ) - nikoさん» niko様、コメントありがとうございます。今書いているものが終わり次第、リクエスト分書かせていただきます!お待ちいただけますと幸いです^^ (2月29日 17時) (レス) id: df71f3213f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:217-nina- | 作成日時:2024年2月14日 17時