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どのくらい玄関に座っていただろうか。
ジャケットからするAの匂いと、今までの思い出が全部フラッシュバックして動けなくなっていた。
その時、俺の携帯から1件の着信が入った。
nrs「らだお、今どこ」
rdo「家。」
なるせからの電話だった。こんな時になんなんだ。
nrs「うい。」
それだけで切れた電話。まじでなんなんだ。
数分後、俺のジャケットをもって、現れたなるせ。
Aなるせんとこ行ったんだ…
やはり、頼るのは俺じゃなくて、なるせみたいで。自分の存在価値の無さに嫌気がさす。
nrs「海辺に置いてるから、らだおに渡せって。連絡きた。お前らマジでなんなの」
少し怒り気味の声でなるせは言う。
rdo「A今どこ」
nrs「マジで知らん。俺も連絡来てすぐ行ったけどいなくて、少し車でふらついたけどいなかった。
多分結構時間経って、俺に連絡してきたと思うよ」
まあ深い話は今度聞くからって、ジャケットだけ返されて、なるせは帰った。
俺のジャケットにも微かにAの匂いがして、また苦しくなった。
少しだけ、ジャケットが濡れていて、海の匂いはしなかったから、Aの涙の跡なのかな。
明日またAと話そう。そして大好きだって伝えよう。
そう思いながら、俺は目をつむった。
__
朝起きて準備をして、Aの作ったご飯をレンチンする。
Aのご飯食べたのいつ振りだっけ、
毎日作ってくれてたはずなのに、ずっと食べてなかったな、
__
本署についてすぐ、警察署員全員集められて、緊急会議が始まった。
bua「忙しい中、集まってもらってすまない。Aの件で情報共有しておきたいことがある
Aなんだが、昨日電話があってこの街をでることにしたから、警察を退職するとのことだった。
今日から、Aが署員から外れるから。残された者は頑張ってくれ。」
そのあとのことは詳しく覚えていない。
頭が真っ白になって、何も考えられなくなって、呼吸さえうまくできなかった。
ただの喧嘩だと思ってた。いつもみたいに笑って仲直りできると思ってた。
また会えると思ってた。
そう思ってた自分が浅はかすぎて、ダサすぎて自分のことが心底嫌になった。
なんで、君は何も言わないで自分で決めるの?
少しは頼ってほしかった。一人で決めないでほしかった。
そっか、もう俺と君は他人なんだね。もう君を思う事さえ許されていないのかな。
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217-nina-(プロフ) - ポピーさん» ポピー様、大変長らくお待たせいたしました!続編更新いたしました。 (3月22日 17時) (レス) id: ce3d0b0ff1 (このIDを非表示/違反報告)
217-nina-(プロフ) - mioさん» mio様、大変長らくお待たせいたしました!続編更新いたしました。 (3月21日 18時) (レス) id: df71f3213f (このIDを非表示/違反報告)
璃梨 - 217-nina-さん» ありがとうございます!!!!!!!! (3月20日 17時) (レス) @page36 id: 8c955eb6e7 (このIDを非表示/違反報告)
217-nina-(プロフ) - 璃梨さん» 璃梨様、大変長らくお待たせいたしました!続編更新いたしました。 (3月18日 18時) (レス) id: df71f3213f (このIDを非表示/違反報告)
217-nina-(プロフ) - nikoさん» niko様、コメントありがとうございます。今書いているものが終わり次第、リクエスト分書かせていただきます!お待ちいただけますと幸いです^^ (2月29日 17時) (レス) id: df71f3213f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:217-nina- | 作成日時:2024年2月14日 17時