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もしかしたら心のどこかで、まだ立て直せるかもと思っていた自分がいた。


言い合いをしても、じゃあこれからは気をつけようねで終わると思っていた。


別れる。 その決断だけはないと思ってた。


 『それ本気で言ってる?』


rdo「そうだね、Aが好きなのは俺じゃなくて、俺のおかげで仕事で来てる自分でしょ」



そんな風に思われていたんだね。


じゃあ、もう縋ったって無理そうだね。わかったよ。


別れ話を切り出されたときに、いやだって縋りつく女だけにはなりたくなかった。


らだおが別れようって言ってるのに、それを拒否してらだおに無理させることだけはしたくなかった。


らだおの意見尊重しなきゃね。


 『別れようか。今までありがとう。らだお』


涙があふれそうで、仕方なくて家を出る準備をする。


 『荷物、私のほぼないからもしあったら捨てていいよ。もういらないから。



 ご飯だけ、冷蔵庫いれてる。まだ日持ちするから食べるならレンチンして。いらなかったら捨てていいから』



 『楽しかったよ。ありがとう。らだお』


らだおはなにも言わなかった。終わったんだ。私たちの恋は。


最後まで自分の意見言わなくてごめんね、大好きだったよ。



泣きながら海岸についた私。夜の風が気持ちよくて、波の音が切ない。



ポケットには、何故か彼の愛用していた煙草が入っていて、彼のジャケットを間違えて着てきたことに気づく。


この洋服の匂いも、もう嗅げないんだね。


実感をすればするほど苦しくなって、私はその場で大声で泣いた。


少し落ち着いて、私は彼の吸っていた煙草に火をつけて吸ってみる。


1口吸ってみただけで、むせてしまって。こんな身体に害しかないものの何が良かったんだろう。


早くらだおを忘れなきゃな、


忘れなきゃと思えば思うほど、胸が苦しくて痛くて、切なくなる。


お仕事頑張ってね、らだお。


私が好きだったのは、らだおと一緒に仕事で来てる自分じゃなくて


仕事頑張ってるらだおでもなくて、ちゃんと 青井らだおっていう人間だったよ。


今までたくさん幸せをありがとう。これからもずっと大好きだよ。


私はなるちゃんに、海にらだおのジャケットを置いておくから、らだおに返してほしいと連絡をして


この街を去った。


沢山くれた幸せも 忘れない 忘れない 忘れられないよ ___


どうからだおが幸せでいれますように。


<完>

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作品ジャンル:恋愛
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217-nina-(プロフ) - ポピーさん» ポピー様、大変長らくお待たせいたしました!続編更新いたしました。 (3月22日 17時) (レス) id: ce3d0b0ff1 (このIDを非表示/違反報告)
217-nina-(プロフ) - mioさん» mio様、大変長らくお待たせいたしました!続編更新いたしました。 (3月21日 18時) (レス) id: df71f3213f (このIDを非表示/違反報告)
璃梨 - 217-nina-さん» ありがとうございます!!!!!!!! (3月20日 17時) (レス) @page36 id: 8c955eb6e7 (このIDを非表示/違反報告)
217-nina-(プロフ) - 璃梨さん» 璃梨様、大変長らくお待たせいたしました!続編更新いたしました。 (3月18日 18時) (レス) id: df71f3213f (このIDを非表示/違反報告)
217-nina-(プロフ) - nikoさん» niko様、コメントありがとうございます。今書いているものが終わり次第、リクエスト分書かせていただきます!お待ちいただけますと幸いです^^ (2月29日 17時) (レス) id: df71f3213f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:217-nina- | 作成日時:2024年2月14日 17時

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