【stgr】短き記憶に溢れる想い【短編】

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pin side



pin「A…」



酷く憔悴しきった様子のAは震えながらこちらを見つめる。



　『すみません、ぺいん先輩私、なんか…』


震えていてうまく話せないAを思わず抱きしめた。



　『ぺえちゃん…？』



聞き間違えたわけではないと思う。確かにそうAの声で聞こえた



pin「A？今なんて？」




　『すみません、急に。でもなんでか声に出ていて』



そういいながら、涙を流すA



　『あれ、どうしてだろう、なんかすごく懐かしくてなぜかわからないけどぺいん先輩といたら安心します。』



pin「疲れているのかもしれないな。おうちに帰ってゆっくり休んでおいで、今日のことは何も気にしなくていいさ」




Aの記憶が戻ってほしくないと言ったらうそになるけれど、



この状態で話すのはきっとAをひどく傷つけてしまうだろう。



記憶が戻らなくても、そしていつか戻ったとしても



俺の中のAは変わらないんだ。



記憶をなくさせてしまった俺は君にとって危険人物となるだろう。



でも、それでもいいから。



なにもかも昔から変わらないAをこれからも守りたいんだ。



君をずっと守らせてくれないか。





あの日見つけた知らない場所へ、




君と二人で行けるのなら




僕は何度でも生まれ変わる。





君が望むのであれば、ぺえちゃんにでもぺいん先輩にでもなるよ。






＜完＞

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