【stgr】短き記憶に溢れる想い【短編】

あなたは魅力に満ちている [tnnuj] ページ11

tnnuj side



　『今日もなかなか忙しいですね〜〜』



そう呟きまた車の下に潜っていく A。



tnnuj「水分補給ちゃんとせなあかんで」



Aの首には白いタオルがかかってて、そのタオルで汗を拭いている。



　『天王寺さんもちゃんと休憩してくださいね。倒れますよ』



俺はさっき、たばこ休憩入ったし、なんならずっと座ってA見てるだけやから



なんも忙しくもないし、倒れるほど働いてへんけど。



というか、こいつのほうがもうずっと休憩行ってへんのちゃうか。



tnnuj「おい、Aお前休憩はいったんいつや」




Aの手がピタッと止まる。



　『ええと、、 ３０分前ですかね...?』



そう言いながら、軍手をはめた手で耳を触るA



こいつ、本間わかりやすいな ...。



耳を触るときは決まってAが嘘をつくときの癖で、Aと二人で働くようになって知ったこと。



tnnuj「はい、ちょうどいま客もきてへんし、休憩しよか」



半ば強引に休憩をさせて、スタッフルームに入る。




はあ、あっつ〜〜 なんて言いながら、俺が前に渡した手持ち扇風機で涼むA



tnnuj「ほんま努力家よなぁ」



無意識に声に出てた言葉。でもほんまのことやとおもう。



Aがメカニックに来たのは俺がJTSのマネージャーとして昇格した日。



最初は俺がいかつすぎるせいか、ギャングの一味やと思って、近づいてすら来なかったAも




今じゃこうやって仲良く話せるまでになった。



あの時は失敗ばかりして車爆発させてた、Aも、今ではあの時の俺と同じマネージャーか。



　『天王寺さんみたいになりたくて、あとお店のみんなに迷惑かけたくないし』



真剣な眼差しで訴えかけるA。俺より遥かに年下やのにしっかりしてるわ、ほんま。




tnnuj「そう、気ぃ張りつめやんでも、ちゃんと支えられてるよ、十分やで」



でも、、と言いたげなA



tnnuj「入社してこれまでAが努力し続けてきたから、今の立ち位置に居てるんやから




たまには自分もほめてあげぇや。」



そういって頭をなでる。俺割と今キザっぽいことしてる？かっこええな、俺(



　『天王寺さんのおかげでこれからも頑張れます。ありがとうございます。』



向日葵みたいな笑顔で笑うAがとても愛おしくて、胸が締め付けられる気がした。




休憩もおわり部屋を出ようとしたとき、俺の手にAから何かが渡された。

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