53話 ページ4
me side
「総統室」と書かれてある扉の前に立つ。私はとにかく緊張している。多分総統室に入るのは初めてだ。大体いつも書類整備や稀に死体処理をしているので滅多に入る機会などない。
扉を4回ノックする。
gr「入れ」
中から総統の声が聞こえて、ドアノブを回して部屋の中へ入る。目の前には豪華な椅子に座る総統。その隣にはトントンさんが立っている。
gr「先の任務についてはご苦労だった。早速報告を聞こう。」
『はい。私たちは社交パーティに出席した際、まずは友好関係にあるタルス国の方と話し………』
貿易の取引、世界情勢、薬の実験など各国の取り組みを次々と報告していく。トントンさんは私の報告をメモしている。さすが書記長。
『……以上で報告は終わりです。なにか質問はございますか？』
gr「ふむ。報告感謝する。質問はないな。A君の話し方は丁寧で分かりやすい」
『お褒めに授かり光栄でございます』
gr「うむ。さて、もうひとつ、君にはまだ話があってだな」
『はい、何でしょう』
gr「戦争に興味はないかね？」
トントンさんが目を見開く。しかし冷静だった。
『……戦争は、あくまでも手段であって目的ではないです。今の世界では発展する為に戦争をする。……この国をより発展させる為なら、私は戦争をします。役に立つだけではなく、人々を守る為に。』
私はこの城で役に立つ為に生き抜いてきた。ならば今度は、この国を、人を守る為に生き抜く。この国で育った恩を返す為に。
gr「ほう。良い志だ。ならば」
gr「君を狙撃部隊に任命する」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：律 | 作成日時：2022年1月13日 17時
