【wrwrd】あなたへの恩返し【em】 (ページ42)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:1,391 hit

41話ページ42

me side

あれから2日。予定よりも早くカリファ国へ着いた私たちは果樹園へ行くことにした。チーノさんから聞くところによると、カリファ国は果物が豊富の国でどれも美味なのだという。今回行く果樹園も、色んな種類の果物が育てられているらしい。

『お土産に持ち帰りたいところですけど、生ものだからそういうわけにはいかないですね…』

持ち帰って皆さんに差し上げたい気持ちだが、なんだか申し訳ない。喜ぶ姿、見たかったな…

そういえば私たちが城を開けてからもう2日だ。皆は元気にしているだろうか。ちゃんと書類やっているといいな…内ゲバやってないと良いな…

ci「しょうがないですよ。このことは僕達だけの秘密にしましょう。さ、早く行きましょ！」

チーノさんに手を引かれて、まずは葡萄のビニールハウスへ入っていった。

ci「ここの葡萄は貴族のおやつとして食べられていますが、高級ワインも作られているんですよ」

『へぇ…チーノさん詳しいんですね』

ci「そりゃあ、伊達にも貿易管理してますから。国の特産品知ってるくらいわけないですよ。」

『確かに。改めてチーノさんが幹部なんだと実感しました』

貿易管理の他にも外交もしているんだもんな…チーノさんは意外とマルチタスクで凄い方なのだと思わせられる。

ci「僕、意外と凄いんすよ？人と接する場面が多い役職なので媚びの売り方や欺くのも熟知してます」

『うわ…チーノさんショッピさんよりゲスい…』

そうこう言いながら採った葡萄を1粒食べる。果糖の甘さと、果肉の口触りの良さに舌鼓を打つ。思わず微笑む。

『美味しい…』

ci「…っ！……そうでしょ！ほら、この違う品種の葡萄も食べてみて下さい！」

『ちょっと〜まだ食べ始めたばっかりですよ？食害しないでください』

様々な品種の葡萄を食べていく。1つのビニールハウスの中に、甘い葡萄や酸っぱい葡萄など傾向の違う美味しさがあった。私たちは満足して次は林檎のビニールハウスへ向かう。