40話 ページ41
me side
しばらく沈黙が続く。私はその気まずさから、思わず口を開いた。
『あの、皆さん、そろそろ喉も乾いてきましたし、ティータイムにしません？』
私がそう提案する。ずっとこうして話さないのもつまらないだろうし、何より空気が重い。オスマンさんはぱぁーっと顔を輝かせる。
os「そうやね！丁度小腹も空いてきたし！そうそう！マカロン持ってきたんよ！」
『マカロン！美味しそうです！』
空気が一気に変わる。チーノさんやエーミールも笑顔になっていく。
em「アイスティーにして頂きましょうか。」
エーミールは棚の中から茶葉を取り出し、チーノさんは小さな冷凍庫の中から氷を取り出す。
ci「最近暑くなってきましたしね！こうして優雅に涼みたいですし」
em「そうですね。皆さん、お砂糖はいくつ入れますか？」
『私は何も入れなくていいです。せっかくエーミールが入れてくれるのですから』
そう言うとエーミールは照れたのか、少し顔が赤くなる。
os「Aちゃん大人やね！俺は3つ〜。」
ci「僕は1つでお願いします！」
みんなそれぞれティーカップを持ち、マカロンと共にお茶を嗜む。紅茶の苦味とマカロンの甘みが丁度いい。
『馬車の中で揺られながら飲む紅茶も中々乙ですね。内装も豪華ですし。』
em「はい。この馬車は頑丈な作りなので揺れはあまりないですよ。馬車酔いの心配もないです。」
『安心しました。てっきり旅用の馬車に揺られるのかと思ったので一応酔い止めを持ってきたんです』
ci「あははっ！パーティに行くのに普通の馬車じゃ目立っちゃうでしょ。Aさんってばお茶目〜！」
『だっ…だって！初めてなんですよ！馬車に乗るなんて！そりゃ色々心配しますよ！』
なんかチーノさん、ショッピさんと似てるな…訓練場で喋った時とは大違いだ。もしかしてあの時猫を被っていたのだろうか。
『もう…もしチーノさんが馬車酔いしても酔い止めあげませんからね』
ci「えぇ〜それは困ったな〜」
ヘラヘラと笑いながら言う。物凄く癪だ。しかもこの人はショッピさんと違って掴みどころがないため扱い方が分からない。
『〜〜〜〜！！！』
と行き場のないもどさしさと扱いずらさで声にならない声を出す。もう嫌だ…早くカリファ国に着いてくれ……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：律 | 作成日時：2022年1月6日 17時
