39話 ページ40
em side
オスマンさんの言葉に皆驚愕する。Aがオスマンさんの婚約者として出席するとはどういうことだ
em「ちょっと待って下さい！どういうことですか」
os「そのまんまの意味やで？婚約者って体で出席するめう」
em「他にも何かあったでしょう……」
オスマンさんは意地悪く笑って私を揶揄うようにこう言う。
os「あれれ？もしかして嫉妬してるん？」
その言葉に動揺してしまう。まるで私がAの婚約者になりたいとでも言っているようだ。私はだんだん恥ずかしくなってしまい顔を赤くする。
em「そ…そんなことありませんよ！！」
ci「そんなん僕だって嫉妬しますよ！オスマンさんだけ狡いじゃないですか！」
わたわたする様子の私とは反対にぶうぶうと文句を言っているチーノさん。オスマンさんはまたケラケラと笑いながらこう続ける。
os「そんなに羨ましいならエーミールに婚約者の役、譲ってあげようか？」
私に向けて提案を投げかける。Aの顔を見れば私と一緒に動揺しているのか、顔がみるみる赤くなるのが分かる。
em「もう…分かりましたよ…オスマンさんに任せます……」
きっと私には女性の扱いは向いてない。私よりもオスマンさんの方が適任だろう。しかしなんだろう、この湧き上がってくるこの感情は。
仮にもし私が本当にAの婚約者だったのなら、どんなに幸せだっただろうか。毎日彼女の心から笑う笑顔が見れるのだろう。…正直言って、私はAを好いている。でもAの方は？きっと私のことを保護者だと思っている。……もしかしたら、別の人を好きになっているのかもしれない。
多分、私のこの気持ちは、Aには届かない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：律 | 作成日時：2022年1月6日 17時
