【wrwrd】あなたへの恩返し【em】 (ページ20)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:1,398 hit

19話ページ20

me side

煽りとも取れる声の主の方向を見ると水色の髪の毛に瓶底眼鏡をかけた背が高い男性、チーノさんが歩いてくる。眼鏡のむこうにはオレンジサファイアの瞳が細められている。

『い"や"こ"っ"ち"は"く"る"し"い"ん"て"す"っ"て"……』

ゾムさんに抱き締められるというよりは潰されている。精一杯声を振り絞って出すが、潰された蛙のような声しか出ない。

ci「アハハハハwwwほんまに苦しそうwww」

おいこら笑っとんちゃうぞ。こっちは真面目だぞ。てか見てんなら助けろや。途端に私を抱き締める力が弱まり、ゾムさんが私から手を離した。

zm「はぁ…邪魔すんなや……」

隣でゾムさんが何か言っているが気にしない。それよりもどうしてチーノさんが訓練場なんかに来るのだろう。珍しいこともあるものだ。チーノさんは幹部だが基本的に戦場には出ない。いつもオスマンさんと一緒に外交や貿易の管理などをしている。

『ふぅ…やっと楽になった…それで、どうしてチーノさんがここに？』

ci「はい！Aさんに昨日のことを伝えに来たんですよ！」

『昨日のこと？あぁ〜！社交パーティの話ですか？』

zm「待てそれ俺聞いてへん」

ゾムさんの声など気にも留めず、チーノさんがそのまま話を続ける。

ci「そうです！話が早くて助かります！社交パーティに行くメンバー、僕とエミさんとAさんに決まりました。」

『えっ！本当ですか！チーノさんよろしくお願いします！』

ci「いえいえこちらこそよろしくお願いします！」

チーノさんと握手しながら何度もお辞儀をする。社交パーティに出席することが決まった。というか他にもいたんだ。いやーメンバーが安心する。そんな私たちを遮って

zm「まてまてまて！！！俺は認めてへんからな！！」

ci「ねぇAさん、ゾムさんまだ子離れ出来てないんですか？」

『いつもあんな感じですよ。過保護なのも困りものですよね～』

ci「ね〜。」

私とチーノさんはぎゃあぎゃあと言うゾムさんを置いて訓練場を出る。もしかしてチーノさんと相性いいんじゃない？私。

『メンバーにも安心ですよ。多分私絶対何かしでかすので見張り役がいないと。』

ci「エミさんもかなりAさんが気がかりみたいですからね。先に決まった時なんてそわそわしてましたよ」

社交パーティか……これから頑張らないと。