【wrwrd】あなたへの恩返し【em】 (ページ14)

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13話ページ14

zm side

Aと話していると楽しい。さらに今日は俺が教えたナイフの投げ方や狙撃も実践していて教え甲斐がある。

zm「で、で、その後的ずらしてどうやったん？」

『えっと、なるべく低く、速く走りながら素早く的を絞って撃ちました！全弾避けられちゃいましたけど…』

低く速く走る…俺の走り方を見よう見まねしているのだろうか。よく観察している。

zm「そんとき多少ブレたりせんかったか？」

『ブレッブレでしたね』

ぶれるという事は体幹がずれているかつ呼吸の仕方に問題がある。これは鍛えなあかんな。

zm「それAの体幹がずれてるんよ。しかもそん時既に息も切らしてたやろ。また特訓やな」

『うげぇ……』

嫌そうな顔をして声を出すAに笑ってしまう。幹部にもなったのでそろそろ本格的に体力を付けさせなければいかんな…

zm「ところでA。お前ちゃんと食ってる？」

『なっ…女の子にそれ言いますか〜？いやだゾムさんセクハラですよ？』

この感じの返答は多分しっかり食べれていない。Aは昔から都合の悪い事を誤魔化す癖がある。それよか最近食堂に姿を現さないことも多くなってきた。

zm「ふぅん………気が変わった。A、俺とデートしに行くで。」

『え"っ…丁重にお断りしま〜す』

またもや心の底から嫌そうな声を出して丁重にお断りされる。そこの反応逆やろ。俺とデートやぞ？女子ならもっと嬉しがれや。

zm「お断りさせませーん。ほなはよ出かける準備してきや。それとも前みたいに着替えさせたろか？」

『もう子供じゃないでーす！というかそれこそセクハラじゃないっすか！そもそもレディの部屋にノックもせず入って来るなんて！』

zm「Aお前…自覚するほどレディだったんか？」

『～～～！！！もう着替えます！ほら、出てった出てった！』

Aに背中を押されて部屋を出される。バタンっと扉が閉まる。

zm「…くっふふ……ほんま可愛いわぁ…」

もしもAに体力がついていたら、真っ先に俺の部隊に入れるのに。あいつは俺と出会った時、才能があった。さらに視力も観察眼も優れている。俺の隊に入ったら、活躍する場所を設けられる。そうすれば誰もAを責める者は誰もいない。………そして

zm「ずっと、俺の隣に居れる」

小さく呟いたその言葉は、誰にも聞こえない。