【wrwrd】あなたへの恩返し【em】 (ページ12)

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11話ページ12

em side

私はAの頭を撫でる。安心したのか、下を向いている彼女の顔が微笑んだように感じた。それよりも……

em「なにより私はあなたの体調が心配です。仕事が進むのは良いですが無理はせずに休んでください。」

最近は自分の仕事はもちろん他人の仕事もやるようになってきた。いつか身体を壊すのではないかと心配になる。

『その言葉そっくりそのまま返しますよエーミール。あなただって時間を忘れてずっと本を読んでいるじゃないですか。』

自分の悪い癖を指摘されてうっとなる。昔Aを書斎へ連れていった時、本に夢中になり気付けば隣でAが寝ていたことを思い出す。

em「おや、知っていましたか。しかし最近私よりもあなたの方が忙しそうなので今から休んできてください。」

平静を装いとりあえず休むことを最優先に伝える。上司命令だ。あなた働き過ぎなんですよ。それを聞くとAはむっとして

『え〜？それは上司命令ですか？』

em「はい。上司命令です。ロボロさんには私が監視すると連絡しますよ。」

はーいと伸びやかな返事をして自室へ戻るAを見てロボロさんに連絡する。そして扉の前に立つとなにもすることがないのであの子の事を考える。

Aがこの軍で生きやすくするために私はどうすればいいのだろう。体術はゾムさんと教えられるだけ教えているが限界がある。雑用もこなしているが周りの目はあまり良く思わなかったのか風当たりが強かった。だから少しでも楽に暮らせるようにと、幹部に推薦させた。といっても戦争には行かせることは出来ない。
最近はまた仕事が忙しくなってきたのか、笑顔が少なくなっているような気がする。

em「……あの子の為なら、何でもしましょう」

そう、ぽつりと決意のようなものを呟いた。