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ペコペコと頭を下げれば突き刺さる青年の視線。そう言えばどうしてコブラが隣にいるのだろうと、青年の顔と見比べた。
「え、知り合いだったの？」
「最近チームに入ったチハルだ」
「チハルです」
小さく会釈する青年チハルにクロは目を丸くさせて、はあ、と感嘆の溜息を吐いた。
「山王に新しい子が入ったって聞いたけど君がチハルちゃんねー。あ、あたしクロって言います。バイクありがとね」
「いえ。あの、凄いっすね…マジで取り返しちまうなんて」
「ギリギリだったけどね。チハルちゃんがバイク持ってて助かったよ、じゃなきゃ今頃あの人一文無しになるとこだったし」
「や、自分は何も…」
照れつつも何処か余所余所しいチハル。しかし視線はちらちらとクロとコブラを行ったり来たりして忙しない。
「あ、馴れ馴れしい？もうちょい距離置こうか？」
「すっすみません。全然そんなんじゃないっす…！ただ噂と随分違うと思って」
「噂？」
クロが聞き返せば、チハルの隣で盛大に吹き出し口許を押さえるコブラ。何だか嫌な予感がしたクロが肩を震わせている彼にずいっと顔を寄せた。
「ちょっとコブラちゃん？何か吹き込んだでしょ」
「いや」
彼の態度は誰から見ても誤魔化しているようにしか見えない。クロは更に詰め寄った。
「正直に仰いな。じゃないと酔っぱらった君の写真SWORDにばら撒くよ」
「ふざけんなテメー消せっつったろ」
「嫌なら言いなさい。ほら」
「いや俺じゃなくて……少し前から山王街でテメーの噂が立ってんだよ」
「ん？？山王街で？」
「おう。しかも複数」
昼間のスーパーでの出来事もあって心当たりがあったクロは腕を組み、視線をコブラからチハルへとやった。心なしか彼女の瞳孔がキュっと縦に伸びた気がしてチハルの背筋が無意識に竦み上がる。
「どんな噂かなチハルちゃん」
「えっと」
眼でコブラに助け舟を求めるが、彼は面白そうにこちらを見つめ返すだけ。
「大丈夫大丈夫、チハルちゃんが噂流したワケじゃないし怒ったりしないから。あたしが知りたいだけー」
「……じゃあ俺が聞いた噂で」
チハルの口から飛び出した噂に絶句するクロの顔に、コブラが我慢できず珍しく声を上げて笑ったのはこの後すぐのことだ。
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花恋(プロフ) - 更新再開を心よりお待ちしてます (2021年1月30日 3時) (
レス) id: e938aee02d (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公(プロフ) - 花恋さん» コメントありがとうございます。不定期更新ですがまた読んでやってください(^^) (2020年7月29日 21時) (レス) id: 5dc992d6af (このIDを非表示/違反報告)
花恋(プロフ) - とても面白いです！これからどんな展開になるのか今からドキドキです^ - ^ (2020年7月22日 22時) (レス) id: 2b0127518b (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公(プロフ) - りさん» コメントありがとうございます。嬉しいです(^^) (2020年7月7日 22時) (レス) id: 55961c2479 (このIDを非表示/違反報告)
り(プロフ) - すごく面白いです、更新楽しみにしています！(^^) (2020年7月7日 5時) (レス) id: 0ffa97bc4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハチ公 | 作成日時：2020年7月1日 9時
