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出遅れたリーチはあるもののクロは無事引っ手繰り犯を視界に捉えることが出来る距離まで追いついた。犯罪を犯していながら暢気に物色なんか、随分とまあ余裕で宜しいこと。
目にもの見せてやる、とクロは首から下がったカメラをパーカーの中に仕舞い込むと直線する男たちから視線を外し入り組んだ脇道へと飛び込んだ。

一方、近頃山王街に頭角を現し始めたスクラッパーズ一派に所属する男たちは悪びれた様子もなくバックの中に大金が入っていたことに喜色の声を上げていた。
銀行から辛抱強く後を着けた甲斐があり、それなりに納得できる額にありつけた男たちは大喜び。男の一人が「繁華街行くぞ」と興奮気味に叫んだ。
働きもしない男たちは万年金欠でここのところ纏まった金がなかったこともあってそれはもう色々と溜まっている。仲間の意見に男も勿論賛成の声を上げた。まるで興奮した猿のような雄叫びを上げる2人組の前に突如、一台のバイクが滑り込んで来た。
「うォッ!?」
すぐさまブレーキを引き、男たちのバイクは衝突寸前の所で動きを止めた。
「テメッ何処見て走って、」
運転していた男が相手に文句を言い付け終わる前に、目前に飛んできた半透明の袋。反射でそれを払い退けると辺りに漂う激臭に男たちは思わず自分たちの鼻を摘まんだ。
「くっせェ゛ェ!!!」
「ッんだよこ゛れ゛!?」
「はい失礼」
バックを持っていた男の顎に諸に入った掌底打ち。突然の衝撃に受け身も取れないままバイクから引っくり返って転落した。
仲間がやられた事で男はバイクを乗り捨てると視覚に捉えた黒尽くめに向かって拳を振り抜くが空振りに終わる。すると今度は顔にあの激臭袋を直接押さえ付けられた。
卵が腐ったような激臭がダイレクトに鼻の奥へと入って来て「ウオェ゛ェ゛」 と吐き気を催し膝を付く。
「その辺に放置された生ゴミだよ。強烈でしょ?」
後頭部を打って悶絶する男と吐き気と戦う男を見下ろした黒尽くめ――クロは奪い返したバックを肩に掛け、男たちに向かってニタリと小馬鹿に笑った。
「繁華街は暫くお預けね」

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花恋(プロフ) - 更新再開を心よりお待ちしてます (2021年1月30日 3時) (レス) id: e938aee02d (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公(プロフ) - 花恋さん» コメントありがとうございます。不定期更新ですがまた読んでやってください(^^) (2020年7月29日 21時) (レス) id: 5dc992d6af (このIDを非表示/違反報告)
花恋(プロフ) - とても面白いです!これからどんな展開になるのか今からドキドキです^ - ^ (2020年7月22日 22時) (レス) id: 2b0127518b (このIDを非表示/違反報告)
ハチ公(プロフ) - りさん» コメントありがとうございます。嬉しいです(^^) (2020年7月7日 22時) (レス) id: 55961c2479 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごく面白いです、更新楽しみにしています!(^^) (2020年7月7日 5時) (レス) id: 0ffa97bc4b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハチ公 | 作成日時:2020年7月1日 9時

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