居なくなってしまった貴方へ… 2 (ページ11)

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昔ページ11

「偉いね」

「賢いね」

「ママね、アナタに凄く期待してるのよ」

「流石パパの娘だ」

　期待の目で見られ、将来を嘱望され、両親が愛を直向きに注いだのは、姉さんであって私じゃなかった。

「Aも見習いならって頑張りなさい、」

「お姉さんは出来がいいのに…でも、頑張ったらAちゃんも出来るようになるからね」

「お姉ちゃんと一緒の大学に行けるよう、頑張るんだぞ」

　お姉ちゃんみたいに。頑張れ。何回その言葉を聞かされただろう。

　頑張っても頑張っても、褒められることがない。

　お姉ちゃんは褒められて羨ましい。お姉ちゃんにならなきゃ。

　ずっとそう思っていたのに。

　何がヴィランズになりたいだ。

　私より両親に愛されるのに。

　必要とされているのに。

　こんなにアナタを羨んでる人がいるのに。

　簡単に要らないなんて。

　許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない

　八つ当たりだろうが知らねぇ。

　あんなヤツ大っ嫌いだ。