彼女からキスを盗む方法 Ⅴ【Reo】 (ページ46)

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246.炬燵ページ46

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「んん……」

「そんな声出して襲われてえの？」

「んー……」

「迷うなよ(笑)」

「れおになら、いい、ょ……」

え、起きてる？
俺の手を掴んだまま離さないA。
目は閉じてんだよな……まさか寝たフリしてる？

「いいっつったね？」

「ぅん……もっとぉ……ねぇ」

また俺の手を頬ですりすり。
『もっと』って、撫でろってこと？
やっぱ寝てんのかな……
撫でるとまた満足そうにする。

「んん、っ」

「お前そろそろ起きろ、ばか」

「ふあ、れおくん？」

「なんだよそれ(笑)」

「うん？」

起きたみたいだけどよく分かってない様子で
なんで笑ってんの？って表情してる。

「お前やっぱり寝言激しすぎだろ」

「わたしまたなんか喋ってた？」

「覚えてねえのかよ」

「なんか猫になってたのは覚えてる。玲於くんだ〜って嬉しくて。こたつで寝たからかな？」

「やっぱり」

やっぱり猫だったよ。
自分で喋ったことは覚えてないみたいだけど。

「やっぱり？」

「すげえ猫みたいにすり寄ってきてたよ」

「だってすきなんだもん」

なんかこんなAを見るのも久々で
リラックスしてんのかなーって。

「……そ。あとさ、夢の中では俺のこと呼び捨てなの？」

「……さの？」

「そっちじゃねぇ(笑)」

「れお」

「それしかねぇだろ」

「確かにそうかも？」

「は？」

夢の中では呼び捨てしてる認識はあるらしい。
普段全然呼んでくれないのに。

「じゃあなんでいつもは呼び捨てじゃねえの？」

「玲於くんは玲於くんだから」

「理由になってない」

「……『呼び捨てはよくない』っていう小さい頃からの親の教え」

そんな理由があったんだって初めて知る。
なんでも「きちんと敬称をつけなさい」と
教え込まれてきたんだそう。

「夢ではなんか忘れちゃうのかもね」

「本当はそう呼びたいとか？」

「んー、でもなんか玲於くんは『玲於くん』って感じ」

「でもたまに呼び捨てして……あー」

「なに？」

「や、教えない」

「えー！なになに？」

「いいから。おせちの残り食お」

なんとなくだけどAが「くん付け」しない時は
甘えてきてることが多い気がする。
こいつが狙ってそうしてるかどうかは別にして。

*