彼女からキスを盗む方法 Ⅴ【Reo】 (ページ41)

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241.寝言ページ41

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朝、アラームが鳴る前に目が覚めた。
隣のAも同様に目が覚めたようで
俺をまだ眠そうな目で捉えて「おはよ」と小さくこぼす。

そして「れおくんあったかい」なんて言って
腕にくっついてくる。
朝起きた時、隣に好きな人がいるってだけで
やっぱり幸せだ。

「起きたくない……」

「ほら、起きないと。時間かかるんだから」

なんだかいつもの逆。
アラームが鳴り出してそれを止めて、
Aは諦めてベッドを出ていった。

「あーそうそう、隼から豆貰ったんだけどAのお父さんの別荘持ってっていい？」

「うん。確かコーヒーミルとかあったはず。お母さんコーヒー好きだから」

コーヒーを飲みながらそんな会話。
忙しい朝の少しの時間でも、
こうして一緒にいられるのが嬉しい。
最近お風呂も一緒に入れてないから。

「昨日お前寝ながら笑ってたけど、どんな夢見てたの？」

「ウソ、笑ってた？なんか玲於くん出てきた気がするけど全然覚えてないや」

「寝言うるさくて全然寝れんかった」

「ほんと？ごめん……」

「嘘。昨日は平気だった」

「え、いつもそんなに寝言大きい？」

「大きいっつーか……おもしろい？」

昨日はそんなに寝言喋ってなかったけど
こいつ結構寝ぼけて色々するタイプだからなぁ……
話しかけたらたまにちゃんと返してくるし。

「おもしろい？」

「寝言で会話できるもん」

「なんかうっすら記憶ある時とない時あるんだよね」

「へー。お前時間大丈夫？」

「あ！やば、出なきゃ」

「気を付けて」とAを玄関まで見送って
少ししてから俺も出た。

.

そこからは怒涛の1週間で
お互いに連絡が疎かになりながらも
仕事をこなしていった。

会えたのは年明けてすぐの音楽番組の現場。
それも姿を見る程度で、
もちろん話したりなんてできない。
でもすれ違って一瞬目が合うだけでも嬉しかったり。

「休み、Aちゃんと過ごすの？」

「そのつもり」

「Aちゃんもきっと忙しかったでしょ、ゆっくりできるといいね」

全部終わって帰りに涼太くんからそっと声を掛けられる。
明日からやっと一緒に過ごせると思うと楽しみだ。

*