彼女からキスを盗む方法 Ⅴ【Reo】 (ページ36)

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236.立話ページ36

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「そういや玲於って智哉くんには敬語で話すよね」

「仲いいんじゃないの？」

「そりゃあだって関係が関係だから。一応俺年下だし」

「あー確かに。俺も同じ立場だったら敬語かなぁ」

「もし先に智哉くんと仲良かったら違ったかもね」

もし「敬語じゃなくていいよ」って言われても
なんか結局気を遣っちゃいそうだから
正直今のままでいいかなと思う。
敬語外しても怒ったりしなさそうだけど。

6時間にも及ぶ生放送は夕方から始まる。
着替えたりヘアメイクしてもらったり
俺らも挨拶回りとかして出番を待つ。
出番まではまだ時間も結構ある。

「玲於！いたよ、智哉さんのマネージャー」

「どこ」

「出て右の広いとこ。NAOTOさんに捕まってた」

「マジか」

隼からの情報で見に行ってみると
その通り、2人で何か話してる様子。

「なーおーとーさん」

「お、噂をすれば」

「噂ってなんすか」

「内緒。ね？Aちゃん」

「ふふ、はい」

「えー、何話してたんすか(笑)」

何話されてた？
聞いても教えてはもらえなかった。

「体調大丈夫そう？」

「大丈夫です。ご心配お掛けしてすみません」

「体調悪いの？」

「いいえ。大したことないのでお気になさらないでください」

周りに人がいるので仕事モードを崩さないA。
『大丈夫』は無理してるようには見えなかったし
顔も見れてよかった。

「お2人ともパフォーマンス楽しみにしてますね。モニターで観ます。録画もバッチリしてるので！」

「さすが〜智哉くんのも楽しみにしてるよ」

「今回振りも頑張って練習してたので、期待しててください！」

Aのスマホが鳴ったようで
「ちょっと失礼します」と画面を確認する。

「ごめんなさい。そろそろ行かないといけなくて」

「じゃあ、例の件よろしく」

「承知しました。こちらこそよろしくお願いします！」

「またね〜」

「はい。失礼します」

小走りで去っていくAの後ろ姿を見送る。
どこに出しても恥ずかしくない自慢の彼女……だと思う。

「いや玲於さ、智哉くんとコラボ動画撮るだけだからそんなこわい表情しないでよ(笑)」

「してないっすから！え、してました？」

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