彼女からキスを盗む方法 Ⅴ【Reo】 (ページ28)

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228.考案ページ28

*

「……れおくん？」

「あーもう……いい？」

「シャワー浴びてからなら……」

「待てないかも。ほら」

「いや、ちょ、えー……？いいの？」

「俺はいいっつってんじゃん」

「ふふ、じゃあ仕方ないなぁ」

お風呂でゆっくりするのも久々で
もう指の皮ふやけてるけどついつい長風呂になる。

「休み今日1日だけなの？」

「うん。お兄ちゃんも忙しくてねー。あの人ストイックだし」

「あー智哉さんにお礼しなきゃ」

「なに？なんかあったの？」

「昨日飲みに行ってさ、涼太くんと3人で」

「昨日？！もしかして家に来る前？」

「そ。お土産もらっちゃったし」

「そういえばなんか買ってたな……ワイン？」

「うん。涼太くんワイン好きだから喜んでた」

「わたしチーズ買ってきたよ」

「じゃあ一緒に飲も」

智哉さんに背中押されて
Aに会いに来たことは言わなかった。
智哉さんのためにも言わない方がいいかなと思った。

「あーちょっとのぼせちゃった」

「おれも。早く髪乾かして寝よ」

お風呂を上がって髪を乾かして
ソファーに座ってテレビを観る。
もうあと1ヶ月もしたら年が変わる。

「また年末に向けて忙しくなっちゃうね」

「歌番組とか何個か被るんじゃない？」

「だとしても会えないよきっと」

「正月は？2日からは多分休めるけど」

「こっちもそんな感じかな、4日くらいまでお兄ちゃんは仕事ないからわたしも休み」

「ならどっか行く？」

「行かなくていいよ、外こわいし」

Aが懸念している通り、この間のこともあるし
もちろん外で堂々とふたりでの行動はできない。
でもAは我慢してるんじゃないかって心配する。
正直俺だって我慢してるし。

「……A？」

「…………」

「眠い？」

「え、あ、ごめんちょっとぼーっとしてた！」

「寝るか」

「あ、うん」

これはAも何か考えてたな……
年明け何したら喜んでくれるだろう？
家でゆっくりするのもアリだけど
せっかくだし普段と違うことしたい。

「電気消すよ？」

「うん」

「おやすみー」

「ふふ、おやすみ」

何かいい案ないかなーなんて考えながら寝た。

*