彼女からキスを盗む方法 Ⅴ【Reo】 (ページ25)

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225.演技ページ25

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「おやすみ」

肩まで布団を掛けて、おでこにキスして
そっと部屋を出た。
明日涼太くんに謝んないと。……智哉さんにも。

自分の部屋に帰って一気に気が抜けて眠くなる。
最低限やることやって、すぐに寝てしまった。

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「昨日ごめん」

「あぁ、大丈夫。うまくいった？」

「え？」

「Aちゃんと。あとこれ、忘れてったでしょ」

智哉さんからお土産にもらったワイン。
普通に置いて出てきてたの忘れてた。

「ありがとう……」

「これも」

「え、なんで」

次に涼太くんが手渡してきたのは
昨日テーブルに置いてきたお金だった。

「智哉くんの奢りだったから。心配してたよ、『やりすぎたかも』って。俺も普通に騙されたけど」

「待って、どういうこと」

「あの人、昨日のあれ全部演技だから」

「マジ？」

まんまとその演技にハメられたわけだ。
「全然酔ってなかったよ」と涼太くんが笑ってる。
そりゃそうだよね、酒強いもん。

ハメられた、というと言い方悪いけど……
智哉さんには感謝だな。頭上がんない。

ワインの入っている袋にメモが入ってて
〔試すようなことしてごめん！Aのことよろしく〕
と一筆書いてあった。

「『巻き込んでごめん』って謝られたけど、玲於ひとりを誘わなかった理由が分かったよ(笑)で、どうだった？」

「一応ちゃんと話してきた。まだ今日は連絡来てないけど」

「今日は1日オフみたいだしね。智哉くんも時差ボケつらそうだったし」

まだ寝てるのか、連絡はない。
寝たとこ起こしたからまた寝ぼけてたりすると
昨日のこと忘れられてないか少しだけ心配。

午後になってやっと

《昨日ごめんね。来てくれてありがとう》

とメッセージが来てることを確認。
ちゃんと覚えてたみたいで安心した。

〈メシ食った？〉

《ちょっとだけ》

〈夜早く帰れそうだから待ってて〉

帰ったら食べたいものいっぱい頼んでやろ。
どうせまた痩せてるんだろうし。

「メンディーくん早くしてよ」

「ごめんごめん。帰ろっか」

*