199.日記 ページ49
*
「見たい。見せて」
「やだ。誰かに見せるようなものじゃないもん」
「恥ずかしいことでも書いてんの？」
「そういうんじゃないけど……」
「じゃあいいじゃん」
「だめです」
「ケチ」
「見せないもんは見せません！」
覗こうとしたら閉じられた。
1ページに結構長々と書いてるみたいだったけど。
「それより今日お仕事は？」
「あと2時間で出る。Aは？」
「会社行かなきゃなぁ……」
「え、行くの？あいつは？いるんじゃねえの？」
「先輩？いるとは思うよ」
「また何されるか分かんねーんだしやめときな」
「本当にその人に背中押されたかは見てないしさ……」
「それ以前にそいつに怪我させられてたじゃん。危ないって」
「まぁ……うん」
ひとりで行かせるのは正直こわいけど
ついて行くわけにはいかない。
そもそも仕事とか職業がとか以前に
彼氏が会社に乗り込むのもどうかしてるし。
「せめて智哉さんに話してからにしたら？今日はまだ体調優れないとかなんとか言って休めって」
「……そうする」
どこに対してか分かんないけど
「やだなぁ」って溢してる。
会社に行くのも休むのも、
智哉さんに話さなきゃいけないのも
多分全部が嫌なんだと思う。その気持ちは分かる。
「もし智哉さんに怒られて喧嘩でもしたら慰めてやるし」
「うん、ありがと(笑)」
そういえば兄妹喧嘩したまんまだったんじゃ……？
色々ありすぎてもうどうでもいいことだろうけど。
「玲於くん……」
「んー？……なに朝から泣きそうになってんの」
「ごめん……」
顔を見るとちょっと泣きそうになってるのが分かって
髪がくしゃくしゃになるまで頭を撫でると
少し嫌そうな表情をしながら笑う。
「ぐちゃぐちゃ……」
「うわ、その髪型めちゃくちゃ似合ってるわー」
「適当すぎ(笑)」
「……笑ってる方がかわいいんじゃない？」
「っ、もう……」
照れてる。かわいい。
まあ泣いてるとこもかわいいんだけど。
そんなことしてたら智哉さんから電話が来た。
しかも俺に。
「もしもし」
『朝からごめんね。今家？』
「まぁそうっすね」
『昨日の夜からAと連絡つかなくてさ、申し訳ないんだけど何かあったら嫌だし部屋見てきてくれたらなと思って』
見に行くもなにも今Aの部屋だし、隣にいます。
というかちゃんと連絡しろよ……(笑)
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はな*(プロフ) - Miiiiさん» お話読んでいただいてありがとうございます！今後もそういったネタ挟んでいけたらな…と思っております。引き続きお付き合いいただけると嬉しいです！ (2020年11月16日 0時) (
レス) id: 27dc132a0b (このIDを非表示/違反報告)
Miiii(プロフ) - 一気に読みました！面白かったです！キスの予約の所ニヤケ転げました。他にも語りたいけどネタバレになるので黙ります。 (2020年11月14日 12時) (レス) id: 35755ecf0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな* | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ge_hana_/
作成日時：2020年11月12日 18時
