168.中身 ページ18
*
「何入ってたんすか？」と小声で聞くと
「ちょっと……きわどい……」まで聞こえたところで
Aに遮られる。
「ちょっとそこ！こそこそしない！」
「ごめん、欲しい物買ってあげるから」
「いらない。お金で解決しないで」
「そんなとこ入れておくからだよ」
「そんなとこって……開けないでって言ったじゃん！」
「開けないでって言われたら開けたくなるじゃない」
「信じらんない……」
聞いてたら完全に智哉さんが悪いと思うんだけど
さっき言いかけた言葉の続きが気になりすぎる。
「……A」
「あ……ごめん玲於くん……お兄ちゃんもごめん」
「ホントごめん」
俺が名前を呼んだだけで察してくれたけど
やっぱりAは悪くないと思う。
「ところで中身は……」と智哉さんにこっそり聞くと
「下着……」と教えてくれた。
ちょっときわどい下着って何？
着てるの見たことねぇんだけど。
てか智哉さん何開けて見てんの……妹の下着……
「……帰ろっかな。ごめん、A」
「ううん。気を付けてね……おやすみ」
智哉さんが帰って急に静かになる。
ちょっときわどい下着が気になってしまって仕方ない。
「ごめんね、ありがとう」
「いや……別に」
「玲於くん疲れてるでしょ？帰る？」
「帰ったほうがいい？」
意地悪してそう聞くと困った表情をする。
「一緒にいたいけど片付いてないし……」
「明日は？」
「休みもらってる」
「うち来る？」
「いいの？」
「……早く来いよ、風呂沸かしとくから」
「うん。ありがと」
ちょっときわどいのってどんなやつよ……
智哉さんが見てしまったものが気になりながら
自分の部屋に戻ってAを待っていた。
「ごめん、お邪魔します」
「A、こっち来て」
「なに？」
「はい、うちの鍵。やる」
「えっ、いいの？」
「いちいち面倒じゃん。せっかく近くなったんだし」
次入る時は「ただいま」って言ってほしかったり。
「ありがとう……うれしい……！」
一気にぱぁって明るい表情になってこちらも嬉しい。
「あ！わたしも！」とAの部屋の鍵も
出して渡してくれる。
「うさぎちゃん！新しい鍵よ！」
「どんなアニメだよそれ」
「うさぎちゃんが鍵なくした人を助けるお話。『かぎっこ！うさぎちゃん』」
「鍵作ってんのは？」
「カギおじさん」
「ネーミングセンス皆無か」
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はな*(プロフ) - Miiiiさん» お話読んでいただいてありがとうございます！今後もそういったネタ挟んでいけたらな…と思っております。引き続きお付き合いいただけると嬉しいです！ (2020年11月16日 0時) (
レス) id: 27dc132a0b (このIDを非表示/違反報告)
Miiii(プロフ) - 一気に読みました！面白かったです！キスの予約の所ニヤケ転げました。他にも語りたいけどネタバレになるので黙ります。 (2020年11月14日 12時) (レス) id: 35755ecf0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな* | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ge_hana_/
作成日時：2020年11月12日 18時
