163.表裏 ページ13
*
「俺は、どっちのAもいいと思う」
「そう？」
「……どちらかというと俺と一緒にいる時のほうがいい」
ずっとそれがAなんだと思ってた。
俺の前で笑ったり泣いたりする姿は
ずっと一緒にいて嘘じゃないってわかる。
「本当に？気、つかってない？」
「つかってない」
「……よかった」
「……それは俺と一緒の時が本当のAってことでいいの？」
「どちらが本当かと聞かれればそうかな」
ほっとした。
なんか試されてんのかと思った。
ドッキリでもなんでもなかった。よかった。
「……しっかりしてもいないし、いい子でもないよ」
「知ってる」
「弱いし、すぐ泣いちゃうし」
「それも知ってる」
「無理してるわけじゃないんだけどなんかこう……疲れる時があって」
「熱出して倒れてたの見てるからね、俺」
「そうだったね(笑)あの後お父さんにも話してくれたよね」
「……あー……ごめん、俺ひどいこと言った」
「なに？」
「人違うとか、2人いるとか」
Aは気にしてたんだ。だから俺にあんな質問をした。
「Aに表も裏もない。どっちも表でどっちも裏」
「ふふ、おもしろいこと言うんだね」
「実際そうなんじゃねえの？」
「ご想像におまかせします」
「またこわいこと言うのやめろって」
「玲於くんの反応おもしろくって(笑)」
「遊ぶなよ(笑)」
多分普段は気を張ってるだけなんだと思う。
どんな時もAはA。
「外では今のままでいいと思う。てか今のままでいて」
「うん……どうして？」
「その……変な虫寄ってきたら困る」
「玲於くん虫嫌いだもんね」
本当にそういうとこ。ちょっと噛み合わないとこ。
「……なんかおかしい？」
「別に？」
「嘘だ！玲於くん笑ってるもん」
「お前、俺といる時なんも考えてねえのな」
「うん？考えてる！ちゃんと玲於くんのこと考えてる」
「……わざと？」
大きい目を開いてきょとんとした表情をするA。
まるで頭の上に ？ が浮かんでるように見える。
「じゃあ天然？バカ？アホ？」
「ひどい！なんてこと言うの？初めて言われた……」
「やっぱ自覚ねーのかよ……」
前のお風呂の時もそうだけど狙ってやってないなんて
純粋で素直すぎる……ごめん、やっぱり子ども。
*
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はな*(プロフ) - Miiiiさん» お話読んでいただいてありがとうございます！今後もそういったネタ挟んでいけたらな…と思っております。引き続きお付き合いいただけると嬉しいです！ (2020年11月16日 0時) (
レス) id: 27dc132a0b (このIDを非表示/違反報告)
Miiii(プロフ) - 一気に読みました！面白かったです！キスの予約の所ニヤケ転げました。他にも語りたいけどネタバレになるので黙ります。 (2020年11月14日 12時) (レス) id: 35755ecf0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな* | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ge_hana_/
作成日時：2020年11月12日 18時
