162.無垢 ページ12
*
「……なに」
「んーん、なんでも……」
「ないわけないよね？さっきからなに」
Aはテレビを観ていたはずなのに
ずーっと隣からの視線を感じていて
無視してたんだけどさすがに気になった。見すぎ。
「……ピアス」
「ピアス？」
「キレイだなって」
「欲しいの？でもあいてないもんね、A」
「痛い？あけるの」
「いや、そんなに……あけてあげようか？」
「いいの……？」
めちゃくちゃ不安そうな表情で見上げてくるので
こわいんだなっていうのが丸わかり。
「やっぱダメ。お前には早いわ」
「えー？ひどい」
「Aはそのままでいいんだって。髪も染めなくていいし」
「そうかなあ……」
そのままでいいと思うのは本心で
実際どうなのかは置いておいて
その純真無垢な見た目は汚れてほしくないなって
そう思うから。
「なんかあった？」
「この前ね、……やっぱなんでもない」
「そ、せっかく聞いてやってんのになぁ」
「……上司に『Aちゃんってかわいらしいけど年相応に見えないよね』って言われて……この間もお酒買おうとしたら年確されたし……」
思ってたより悩んでたみたいで
今これを言うと確実に怒って泣かれるだろうけど
そんなことで悩んでるAがかわいい。
「見た目なんて気にすんなって。若く見られてた方がよくね？」
「玲於くんだっていつも子どもだって言うし……慣れたけど」
「俺がいいっつってんだからいいんだよ。そのままで」
「ほんとに？」
「ホント」
「玲於くんがそう言うならいいのかな」
俺の言うことなら大体のことは
最終的に鵜呑みにするので
なんか悪いこと吹き込んだらそれも信じちゃいそう。
「Aって……なんか……2人いる？」
「2人？どういうこと？」
「仕事中っていうか外と、俺といる時とで人違くない？」
「あぁ……」
「まさかマジで2人いんの？(笑)」
「いるわけないでしょ！(笑)」
「でも『あぁ……』って言ったよね」
「玲於くんは、どっちが本当のわたしだと思う？」
「いや待って、えっ、なに、急にこわいじゃん。なに」
その質問こわくない？
どう答えるのが正解なのか……
急に真剣な表情になって俺の次の言葉を
待たれてるの非常にこわい。
「じゃあ質問変えます。どっちのわたしが好き？」
なんかそれも今後に左右しそうな質問……
これなんかのドッキリ？遂に来た？
*
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はな*(プロフ) - Miiiiさん» お話読んでいただいてありがとうございます！今後もそういったネタ挟んでいけたらな…と思っております。引き続きお付き合いいただけると嬉しいです！ (2020年11月16日 0時) (
レス) id: 27dc132a0b (このIDを非表示/違反報告)
Miiii(プロフ) - 一気に読みました！面白かったです！キスの予約の所ニヤケ転げました。他にも語りたいけどネタバレになるので黙ります。 (2020年11月14日 12時) (レス) id: 35755ecf0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はな* | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ge_hana_/
作成日時：2020年11月12日 18時
